『始動』
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 エイリアン艦隊から見て天頂方向の空間が揺らめくと8隻の艦隊が出現した。高速巡洋艦で構成されるブルーツイスター分隊である。フェイズコンバーターを調整して位相空間に潜んでいたのである。ただしこの方法はエネルギー消費率が非常に高く、ジェネレーターに余力のある高速巡洋艦ならではの芸当である。
 「紡錘陣形をとり敵艦隊に艦隊特攻をかけます。全艦全速前進。本隊一斉射撃後に砲撃開始。余剰エネルギーはすべてシールドへ。攻撃は艦前方のみに集中して下さい。敵艦隊突破直後に後部光子ミサイルを斉射。急速旋回後再び特攻を掛けます。」
 分隊司令リュウイチ・ミシマ少佐の静かではあるが力強い言葉が分隊全艦に届く。モデルと見間違うような端正な顔つきと物静かな物腰。クリストファー同様『ベイリーフの戦い』で有名人となった後、連邦各地においてファンクラブが結成されたほどである。彼はその人生においてクリストファーと常に戦場を共にしている。2人の関係について後世の歴史家の中にはその対照的な性格もあり、太陽(クリストファー)と月(リュウイチ)に例え、月は太陽が無くては輝かないという意見を述べた者もいたがこれは誤りであり、彼らは連星の様に自ら輝きながら互いに大きな影響を与えていたのである。

 ブルーツイスター分隊が力強く始動を開始し、デセイバー発動後10秒が過ぎた・・・


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