イラストストーリー

千座天法探偵事務所

1


探偵、千座天法の情報源は主に野良猫達です。
彼は小さいときから、動物とよく話をしてました。
彼の右掌の小指の付け根部分に
三日月の形をしたみぞがあります。
これは、動物達と話ができる手相なのです。
動物は人間に真実を語ることをよしとしません。
でも、いくつかのヒントは教えてくれます

2


「最近よく見かけますね。」
物干し台から女の子が話しかけてきました。
「いやぁ、この辺は野良猫が多いもんで・・」
「猫が好き?」
「学ぶところが多々あります。」


3


ZOT将軍
このあたりのボス猫です。
ボスといっても人間が想像しているものとはずいぶん異なります。
動物達は人間の視線を感じているときは、本来の姿を見せません。
本当は,彼らは人間よりはるかに高い精神性を有してます。
彼はさっきの物干し台の女の子の家を根城にしているようです

4

猫嫌い娘、ヤン・グーです。
ひねくれ者です。
でも天法にはなついていて、彼にまとわりついてきます。
彼は、彼女がそばにいると仕事にならないので、少々困惑気味です
「いいわねぇ、天法君はすくすく育ってて。」
というのが彼女の口癖。
天法より10才も年下のくせにため口です。


5


長耳マスクをした謎の少年に出会いました。
天法は何かの前兆を感じ取りましたが、思い違いだと気が付きました
捜査上での先入観や日常的な慣習が
彼の直感力を鈍らせます。
注意しなくてはいけません。
「いや、失礼。」
意味もなく謝ってしまいました。

6

黒天使が植木に手をあててます。
黒は無意識を暗示しています。
事件の鍵は、天法の無意識の中にあるようです。
昼食後、彼は30分の瞑想をはじめました。
「証拠となる何か大切なものを見ているはずだ。」

7


「ふんふん、なるほど、なるほど。」
最後のヒントは天使猫が与えてくれました。
天法の頭の中で
いくつかのヒントがつながり
そして、すべての謎は解けて
あの20年前の迷宮入り事件は解決したのです。

8

「ほんとにありがとね。これでじーさんも浮かばれるじゃろうて。」
依頼人のおばあさんの顔がほころびました。
「いやぁ、仕事ですから。」
一週間分の探偵料と必要経費(主に猫の食事代)
をもらい
事務所に戻りました。

9

スナック「突破口」で、仕事の疲れを癒します。
幻獣グリンフィックスが絡んできました。
彼の愚痴も
事件を解決した夜は優しい音楽のように聞こえます。

FIN

copyright(c)1997 by hiroyuki kato+keisuke gotoh


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