かものはし日記10月号


10月1日

風邪をひいて寝込んで
なんとか回復した次の日などは
気分も爽快で
頭の中のもやもやしたものもすっきりします。
風邪はある種のストレス解消に役立っているのかもしれません
心だけで解決できない悩みは
風邪の力を借りて
体全体で何とかしようとしている・・
そんな気がします。
風邪を完全に治す薬を発見したら
ノーベル賞らしいですけれど
そんなもの作らないで欲しいですね。

なーんていいながら
カッコントウのお世話になっているのだが
なかなかよくならないな

10月2日

突然晴れて
突然気温が30度
いつもだったら暑くてうんざりしてしまうのだけれど
風邪をひいた体には
結構暖かくて気持ちがよかった。

10月3日

今年初めての秋らしい快晴
風邪もよくなってきて
毛布を洗濯したりして、気分もぬくぬく

巨人広島戦をテレビ観戦していたら
吉村選手と川口選手の引退試合でちょっと涙目
川口さんは広島時代から大好きな投手で
俳優なみにかっこいいルックスで球もめちゃめちゃ速かった本格派の左腕
(最強のジャイアンツキラー)
吉村さんもけがさえなければ
ここ10年くらいの巨人の4番を張っていてもおかしくない選手
(そのおかげで広沢も清原も巨人に連れてこられてひどい目にあっている)
ちょうど吉村さんとは同い年で
もう引退してしまうなんて過酷な仕事ですね、プロ野球の選手は・・
絵描きは楽だねー
多分死ぬまでできるぜ
(仕事があればの話だが・・(笑))

弟と電話で話す。
「おまえUFO見たんだって?」
「そうなんだよ、見たんだよ。」
「正月におれが帰ったら誰もいなくて、庭の芝生がまあるく焦げてたりしてな。」
「わっはっは」
「おふくろは?」
「いないよ」
「とうとう、アブダクトか?」
「ハワイに買い物に行った。」
UFOとか観る割にはそのへんが妙に現実的な母親だ

後藤がうちの母親がUFOを見た話を
同じマンションに住んでいる大家さんの娘さんに話したら大受けだったらしい。
なかなか喜ばれている(笑われている)じゃないか、うちの母親ネタは・・

(注)そんな人はいないと思うけれど
私も円盤見ましたとかいうメールを送ってこないでね(笑)

10月4日

毎日天気がいいですね
かっこいい弱さについては
たくさんメールを頂いて嬉しい限りです

円盤見ましたというメールは全くなくて、なによりです。(笑)

10月5日

作品というのは
小説であれ漫画であれなんであれ
ある程度事前にストーリーの展開を計算して進んで行くんだけれど
どこかで計算が破綻して
原作者の意図を離れて
勝手に暴走を始めるあたりが
一番おもしろいし
一番生命力にあふれて生き生きしてくる
(それは作者が作品と悪戦苦闘をし始めるから・・)
先週のジャンプを見てやーな予感はしていたが
るろうに剣心の薫さん、やはり生きていたか・・
計算通りの展開になっているわけか
(回りの友人はどーせ生きているに決まっている、と言ってましたが)
原作者の和月先生は
かなり頭のいい人なので
ストーリーがかっちりしていてなかなか暴走しない
薫さんを死なせたあたりから
これは暴走が始まって
ちょっと少年誌では考えられない境地にまでいけるかも
と期待していたんですが・・
でも、またどこかで暴走するチャンスがあると思います
期待してます

カンヌだかどっかで賞を取った「うなぎ」の監督
今村昌平のインタビューを昼間NHKでやっていて
インタビューアが監督に
女の人のどこが好きですか、と聞いたら
即座に、下半身、と答えて
NHKの電波を一瞬凍らせてました。
すばらしいじじいだ!

10月6日

寒くなってきたので靴下をはこうと
引き出しを捜したら
出てくる靴下靴下みんな片一方しかなくて
いったいどうしたんだろう
20足くらいあるんだけれど
両方あるのが1足しかなかった、なぜだ!

踊る大捜査線の特番を観る
ちょっと長かったけれど
いい感じ
映画が楽しみです。

10月7日

仕事机の横に植物があってもいいんじゃないかと思い
観葉植物のポトスを買う。(450円)
アナクロ(猫)がいたときのように
なんでもかんでも
たたき落とされる心配もないし・・
彼女は僕が大事にしてそうなものを見つけて
ぶっこわすのが得意だったからね(笑)

知識というのは過去からやってくるものだが
知恵というのは未来からやってくると
ネイティブアメリカンの本に書いてあった
思うに
知識は世界を、自然を、人を、コントロールする術だけれど
知恵は世界を、自然を、人を受け入れる術なんじゃないでしょうか

はぐれ刑事情熱系のドラマの放映中に
西武の優勝シーンを突然ライブ中継しやがって
制作者サイドからすれば
ちょっとひどいよね
たかが野球でしょ
優勝シーンを放映したかったら
ドラマを来週にまわして
最初からテレビ中継をするべき
だと思う。

10月11日

横浜が優勝しても
権藤監督がかっこよくても
JOMOカップでの柳沢の活躍で
決定力不足の日本のフォワード陣に光明がさしても
おれの人生とはなんの関係もないと
思ってしまう寂しい秋

美術館のキュレーターの友人と遠距離長電話をする
昔のロバートフリップは
自信と劣等感のバランスがよかったから
キングクリムゾンはすばらしかったという話を聞いて
なるほどと思った・・
今の奴は何か自信に満ちあふれていて
それゆえ
メンバーをコントロールすることばかりに夢中になり
音楽が堅牢な建築物のようでちっともおもしろくない。
劣等感という感情とは
かっこいい弱さ
世界を受け入れるための知恵と
何か通じるところがあるのかもしれない

精神というものは絶えず変化して動いているものを
存在として認識する
たとえば
同じ臭いをずっと嗅いでいたら
臭いはわからなくなる
存在しなくなる
だからいつもいつも同じ事ばかりやっているクリエイターというのは
作品は物理的に存在しても
存在しないのと同じ・・
というのを肝に銘じて
絵を描くのは辛い!(弱気じゃねえか(笑))
いや、しかし・・

10月12日

うちの目の前の道路の真ん中に
よくうんこが落ちていて
誰だろう、基本的に犬でも猫でも
堂々と道路の真ん中でする奴はいないはず、とおもっていたら
今日、牛丸(近所の町工場の飼い猫)が道路の真ん中でうんこをしているのを
目撃しました。

今日の夕方、そのうんこを
後藤が
踏んでしまいました。
(えんがちょ)
これからは後藤のことは
「30才過ぎてうんこを踏んでしまったイラストレータ」と呼ぶように・・
(うんこを踏んで許されるのは20才までです。
20才を過ぎてうんこを踏んでしまうと
クレジットカードが作りづらくなりますのでご注意を)

最後にうんこを踏んだのはいつだっただろうか
という想いに耽る秋の夜

10月23日

そうか、10日も日記をさぼっていたのか・・
うんこの話を書いたら
しばらく何も書きたくなくなっちゃったんだな(笑)

日本シリーズ
1戦2戦3戦は選手がみんな浮き足立っていて
ミスも多くて大味な試合であったが
今日の第4戦
なかなかみなさん、地に足が付いてきて
明日あたりの第5戦
そろそろ玄人好みの息詰まる試合が観られそう
楽しみ!

今週から
{きらきらひかる」の再放送が始まってうれしい
かっこいいねーちゃんが大好きさ
クールな監察医役の鈴木京香
ハードボイルドな女刑事役の松雪泰子
ひたむきな新米監察医役の深津絵里
みんな素敵!
21世紀は女性の時代だよ、絶対
賭けてもいい!

そういえば数日前友人の女性が
アロマテラピーとマッサージのお仕事をやっていて
ちょっとやってもらった。
なんか気持ちよくてうっとりしちゃった

10月24日

相変わらずの大味な日本シリーズで
なんの緊張感もなくてつまらん
8、9回の10点はひどい
新谷を変えることは出来ないにしても
キャッチャーを伊東に変えて
なんとかインサイドワークでしのぐことは出来たはず

10月25日

今日はやっと緊張感のある
やや低レベルだがそれなりにおもしろい試合だった・・
けれど
今ひとつ盛り上がらないうちに
終わってしまった今年の日本シリーズ
9回表に佐々木が打たれて西武が勝ったら
明日の試合はきっとすごい試合になったと思うのに・・
あー今シーズンはもう終わりか
しばらく暇だな
仕事仕事・・

10月26日

僕は昔から
実験音楽と呼ばれ
ポピュラーミュージックに異を唱えるような
音楽を好んで聴いてましたけれど
実験音楽はいつまで経っても実験
実験室からでることはなく
(中には革新的な方向性を示しかけたものもあるにはあったけれど)
ただ単に実験音楽というジャンルを不覚にも築きあげていってしまっただけの
ミュージシャンがたくさんおりました
多分70年代に活躍したスラップハッピーという
プログレバンドもその中の一つで
アバンギャルドという風変わりな服をきただけのバンドだと
個人的に思ってました。
今日たまたまレコード屋に寄ったら
多分20年ぶり位だと思いますけれど
彼らの新譜が出ていて
ついつい買ってしまいました。
あれから20年
彼らの音楽はほんとに円熟していて
優しく
力強く
革新的で何よりもポピュラリティがあり
生々しく優雅な音楽に仕上がっていました。
実験室の中の試行錯誤が
ついに実験室という人工環境を脱して
自然の中で生きる力を身につけて
解き放たれた・・
そういう音楽でした。

今年の日本シリーズは
権籐監督の言うところの詰め将棋のような野球ではなくて
自由ではつらつとした野球がテーマだったわけです
要するに
権籐さんも東尾さんも野村監督のID野球が大嫌いで
それに反旗を翻したかったというところでしょう。
結果大味な試合がばかりで緊張感がなく
野村監督に嫌みをいわせる隙を作ってしまったわけですが
とどのつまり
いろんなタイプの野球チームがあったっていいじゃんか
ということです
すべてのチームが緻密で地味な野球ばかりやっていてもつまんないし
かといって
すべてのチームがお祭り野球ばっかでも困るしね
いろいろな価値観で野球をやって欲しいということです
でも
勝ったからといって
一つの価値観が正しいということにはなりません
正しいから勝ったわけではなく、ただ運が良かった・・それだけです。



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