かものはし日記 2020年9月号


9月1日

二人展のお知らせ

後藤啓介、加藤龍勇 二人展
「ぶらぶら星人の地球再征服」

会期は
2020年10月9日~10月19日
場所は
東京 谷中 HOW HOUSE EAST

後藤と展覧会をやるのは久しぶりです
是非いらしてくださいませ
合作もあるかもしれません

9月2日

サヨナラを文字通りに訳すと
「そうならなければならないのなら」
という意味だという
これまでに耳にした別れの言葉のうち
このように美しい言葉を私は知らない
auf wiedersehen や au revoir や till we meet againの
ように
別れの痛みを再会の希望によって紛らわそうという試みを
「サヨナラ」はしない
目をしばたいて涙をけなげに抑えて告げるFarewellのように
別離の苦い味わいを避けてもいない

(翼よ、北に -アン・モロー・リンドバーグ)

9月3日

ほめるときは命がけで

ちゃんとその人を観察してほめないから
ただのお世辞になってしまう
批判など
だれでもできる
誰も見つけられないような
その人のいいところをみつけられることこそ
知性だと思う

9月4日

otis sandsjo / yung

9月5日

asyncronous /pangaea nova ep

ウクライナのデュオ
asyncronousは非同期という意味
人と足並みをそろえないこと

9月6日

9月7日

日本は
若者の死因の一位が「自殺」って

もうちょっと「雑」に生きましょう

9月8日

沢村は、ロッテで頑張ってほしいなあ
どの枠にもはまらない人って、はた迷惑だけど魅力的ではある
かつて日本にはアストロ球団という超人的プロ野球チームがありましたが
そこがいちばんしっくりくるかも

9月9日

そろそろ
二人展の絵のタイトルを決めてギャラリーに提出しないといけないのだ

「セックスとお酒より楽しいものが見つかって初めて
人類は次の段階に進化したといえる」

というタイトルが思いついたのだけれど
これはボツ

9月10日

ついに
DUNE 砂の惑星のトレイラーが解禁
品よく仕上がっていてうれしいです
トレイラーで使われている楽曲は
ピンクフロイドのeclipse(狂気日食)ですね
ぐっときました

最初のジョドロフスキーの DUNEの企画では
音楽はピンクフロイドだったそうですから

なんか元気がでてきちゃったな

「狂気日食」 歌詞 和訳

手に触れるものすべて
眼に映るものすべて
舌で味わうものすべて
五感に感じるものすべて
愛しむものすべて
忌み嫌うものすべて
不信を抱くものすべて
育み守るものすべて
捧げるものすべて
分け与えるものすべて
買い求めるものすべて
哀願しまたは借用し または盗んだものすべて
創造するものすべて
破壊するものすべて
行為のすべて
言語のすべて
口に食するものすべて
巡りあう人間すべて
軽んじるものすべて
争いをしむける人間すべて
現在にあるものすべて
過去に埋れていったものすべて
未来にくるべきものすべて
あの太陽の下 すべては調和を保っている
だが その太陽は徐々に月に侵蝕されていく

 

9月11日

thor & friends / 4

パーカッシブでミニマル
好みです

放課後ていぼう日誌

いいかもしれない
ビールが飲みたくなる第一話

9月12日

何事も反応しない

人生は出来事が10パーセント
それに対する反応が90パーセント
という名言があります
反応しなければ人生はそうとう楽ちんなはず
とはいえ
ついカチンときて余計なことを言って
状況が悪化するんですよねえ

9月13日

新訳版の「デューン 砂の惑星」が出ていると知って
40年ぶりに読み返しています
読みやすいしとても好みの文体です(酒井昭伸 訳)

われ恐れず。
恐怖は心を殺すもの
恐怖は全き抹消をもたらす小さな死
われは恐怖にぞ立ち向かう。
われは恐怖が身内を通り抜け、通過するを許す
しかして恐怖が通り抜けるのち
内なる目をその通り道に向けん
恐怖の通過せし跡にはなにものもなかるべし
そこに残るはただ自分のみ

小説の最初の方に出てくる、砂の惑星の重要なテーマを示す名文ですが
かっこいい訳だと思います
今度の砂の惑星のヴィルヌーヴ監督も18,9歳の頃読んだそうですが
みんなこのくらいの時これを読んで
SFに堕ちていくのですな(笑)

9月14日


監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影 (ドキュメンタリー)

監視資本主義
SNSなどの無料のネットサービスは
その収入を広告から得るというビジネスモデルになっているので
広告を見てもらうために
人が何を欲するかを予測する必要がある
要は
人間自体が先物取引の材料になっているような世界
だそうです
そしてすでにそれらはAIでコントロールされ・・

すごく面白いSFでした
いや、ドキュメンタリーだった・・

9月15日

終玄というにはちと早いが
ようやく秋かな

9月16日

イラストレーターのさかうえだいすけさんのグループ展へ@銀座 ミレージャギャラリー

相変わらずセンスが良いのと
年々進化してます
今年は新境地が観られました

9月16日

9月18日

9月19日

yui onodera / ray 1

ジョン・ケージのドキュメンタリー映画「Cage 64」 のサウンドトラックだそうです
シャキっとしていて、好み

9月20日


スターウォーズ エピソード1に出てきた
フォースの元となる
あらゆる生命体の細胞内に生息する知的微生物
ミディ・クロリアン
という設定はとても不評で、新三部作では無視されてましたが
(面白いと思うのだけれど)
最近
動物が磁場を感じるのは
磁性細菌の影響なのでは、という仮説が発表されました

個体とは
ひとつの存在ではなく
いろいろなものの集合体なのかも
森のような感じ

9月21日

「どう、人殺しになった気分は?」
母ジェシカが決闘を終えた息子ポールに言い放つセリフ
(砂の惑星 新訳版 中巻 244ページ)

このセリフが脊髄がしびれるくらい好き
なんと言っていいのかわからないような壮絶な母子関係
何度も読み返してしまう

子供の時読んでわからなかった部分が
大人になるとつるつるわかる
今あらためて読んでも、SFの最高峰です

9月22日

季節の変わり目の腰痛が少し

新訳版ではないのですが
引き続きDUNE第二部「砂漠の救世主」を読み返しております
懐かしい石森章太郎の挿絵がすばらしい
そして
昔の文庫の活字はあまりに字が小さくて読めません(泣)

9月23日

朝の一曲

nostalghia / andrei tarkovsky

演奏はスヴァトスラフ・リヒテル、曲はバッハのプレリュードとフーガ第八番

予言や予知や占いがあたらないのは
ハイゼンベルクの不確定性原理を適用するとわかりやすい
未来を「見る」ことで
未来に影響を与え未来が変わってしまう
ということが
デューン砂の惑星の中に書いてありました(ほんとに奥深い小説だ)

要は未来のことはどうでもいいのです

今を「見る」ことで
今が変容する
これは大事
自分を「見る」ことから逃げると
何も変わらない
社会に条件付けされた先入観から出られず
一生を終える

砂の惑星の登場人物たちは
高度な訓練と教育によって様々な条件付けをされている人たち
その能力はすべて
他者を出し抜くために用いられる
これは現実の世界に住んでいるわれわれに対するメタファーなのかも

9月24日

夜の光はすべて星

9月25日

9月26日

秋霖(しゅうりん)

9月27日

寒くなりました

ike yard / night after night

ポストパンクとかアヴァンギャルドとか
84年、ニューヨーク NO WAVE
不穏な感じがかっこいい

9月28日

デューン 砂漠の救世主

宿敵ハルコンネンを打倒して
皇帝の座についたポール・アトレイデ
ハッピーエンドの後日談は
ハッピーエンドとはいかず
ポールは
皇帝であること
救世主であること
そして
未来のビジョンがみえることに苦悩する
この年齢で読み返すと
エンタメ要素が強い前作より
こっちの方が奥深くて好み

未来から自由になりたい

今回の仇は「未来」でした

愛妾チャニ、正妻イルーラン、妹エイリア
美しく優しく聡明で凶暴な女性たちに囲まれて翻弄されるポール
これは日本のハーレムアニメの原点?

9月29日

街頭でティッシュを配っているティッシャーは
最近
ティッシュではなくマスクを配ってますね
こういう場合は
マスカーになるのかな

久々に自転車で遠出
あまりに筋力が落ちていることにショックを受ける

9月30日

木星で乗り換え