かものはし日記 2013年7月号


7月1日

弱い敵

・・・・・内田樹先生の文章から引用・・・・・

オルテガ・イ・ガセーは「弱い敵とも共存できること」を「市民」の条件としていますが、
これはとてもたいせつなことばだと思います。

「弱い敵」ですよ。「強い敵」とは誰だって、しかたなしに共存します。
共存するしか打つ手がないんだから。
でも「弱い敵」はその気になれば
迫害することだって、
排除することだって、
絶滅させることだってできる。
それをあえてしないで、共存し、その「弱い敵」の立場をも代表して、
市民社会の利益について考えることのできる人間、それを「市民」と呼ぶ、
とオルテガは言っているのです。

・・・・・・・・・・・・

シャーマンの修行の中で
自分の「小暴君」を見つけて
それと共存することで自分の中のエゴに気づいていく、というのを思い出しました
小暴君とは弱い敵です
それは、近隣住民だったり、クラスメートだったり
上司だったり、親だったり

むずかしいんですけど
なんとかしたいものです

7月2日

生命の通り道

夏らしくなってきました
とはいえ
風はまだまだ涼しくて、軽井沢気分
我が家は風通しだけはいいんです

7月3日

恐怖心

windows7を自宅のLAN内で共有設定しようとしたら
xpより複雑で結構めんどくさかった
システムというのは
バージョンアップをするごとに
どんどんセキュリティが強化されていきます
そんなに怯えなくてもいいのに
と思いますが
経験を積むことで
それとともに恐怖心の種類も増え
だんだんと心がかたくなになる人間と一緒です
というか
コンピュータネットワークは人間の心の合わせ鏡です
老いるとはそういうことですね
身体的なことではない

7月4日

無防備

無防備、無抵抗になれば
人は少し透明になるそうです
宮沢賢治のいうところの「透明な存在」とは
そういうことかもしれません
透明になれば
あらゆるものは素通りして
状況に一喜一憂することもなくなるかも

7月5日

源流

今一度
目は、光を感じる皮膚であるということ

今年の我が家はゴキブリの当たり年かも
ホイホイにいっぱいかかってる

餃子を焼くのは得意なんだけど
めずらしくうまく焼けなかった
夕食は
いまいちの焼き餃子とビール

7月6日

夏日

暑さでパソコンのファンが
苦しそうにうんうんとうなっているので
ファンの掃除をしてみました
(ちょっと呼吸が楽になったようです)

基本的にファンレスパソコンで
夏だけケースファンをまわしています
CPU温度46度
まあ、クーラーなしだとこんなもんかな
50度超えなきゃいいのよ

人間は歳のせいか(暑さに強くなりましたが(冷え性?)
パソコンはつらそうです

7月7日

天気のいい七夕ってめずらしい

来月のグループ展「目には見えない生き物たち」展のためのDM用イラスト
木の板にリキテックス・ガッシュで描いてみました
実際はトリミングして
他の絵描きの方の絵と一緒にデザインされます

とある本を読んでいたら
「独創力は、思慮深い模倣以外の何者でもない。」
という文章がでてきました
現実主義的な思想家ヴォルテールという方のお言葉だそうです
もうオリジナリティなんてない
といいきるジョン・ゾーンも
このあたりの考え方が根底にあるのかも

オリジナリティ

重い言葉です
これを考え過ぎちゃうと一歩も前に進めない
そんなもんないんだから、どんどん作品を作れよっていう考え方って
気楽でいいよね

7月8日

色彩を持たない多﨑つくると、彼の巡礼の年

村上先生の新作をようやく読みました
読後
アマゾンのレビューを覗いてみたら
村上作品に対する罵詈雑言がひどくてびっくり

憎悪を書き込む前に
その憎悪の出所がどこなのか
ちょっと退いて自分を 観察してみる
これはネット時代の作法だと思います
(ちょっと退いて観察することが出来れば
書きたいことなんてほとんどなくなる)

しかし
これだけの罵詈雑言を書かずにはいれらなくなっちゃう村上作品は
小説としてどうのこうのじゃなくて
内容がどうのじゃなくて
愛撫なんです
いろんなところをいやらしく触ってくるんですよ、多分(笑)

7月9日

技術的特異点

暑いですね
あんまり暑いのでお昼寝というかほぼ気絶をしていたら
ギャラリーのオーナーからパソコンの画面が映らないというSOSがきたので
35.4度の炎天下
自転車で恵比寿へ
ひょっとすると昨日の雷のサージ電圧にやられちゃったのかと心配していたのですが
なんのこっちゃない
モニタの電源が入ってなかった・・
まあ、これは極端な事例ですが
人類のほとんどは
どうしてパソコンが動くのかわかってません
知っているのは、ひとにぎりの技術者だけ
それも
ほぼ30年後には
人間の知能を遙かに超えた人工知能が
科学技術の進歩の担い手になり
科学技術は
もう人間には理解できないものになっちゃうそうです
これを技術的特異点というのだそうな

ターミネーターみたいな未来がくるかもしれませんが
でも意外に人工知能って
慈愛に満ちたいい奴かもしれない
期待してます(笑)

7月10日

女の子とひとつ目猫

今日から近所のプールはプール開きなので
早速泳いできました
午前中なのに
混んではいないけれど、けっこう人が多い
おじさんばかり
みんな自由業者か?

7月11日

今日は普通の夏日
さほど暑くなかった
昔の夏です

ここ数日の暑さは
ようするに考えるのをやめよ、っていうことですね
ネガティブなことも
ポジティブなことも
所詮両方とも自意識というかエゴです
考えても何も解決しないし
多少解決しても
さらに問題が増えていくだけです

考えるな感じろ、この暑さを・・

7月12日

天使エスメラルダ 九つの物語 ドン・デリーロ

確かクローネンバーグの最近の映画「コズモポリス」はこの方の原作だったような
午前中で仕事を終わらせ
クーラーを止めて読むにはちょうどいい短編集
作品は一応年代順なんですけど、適当な順番でよんでます
短編て
無理して物語をすすめなくてもいいので
なにかこう気楽な感じが良いし
それゆえ
作家のエッセンスが詰まっている感じもします

7月13日

ストレスと蚊

蚊は、ストレスのある人が嫌いだそうです
人間がストレスを感じたときに出す物質が嫌いみたい
代謝が良く、ストレスのない人は
人も集まりやすいと思いますが
蚊にも好かれちゃうんですね(笑)

イライラしていると、人も蚊も寄ってこない

7月14日

雨宿り

秋葉原をぶらぶら散歩していたら
突然の雷雨
最近の夕立は長いです
いくら待ってもなかなか止まない

7月15日

早朝、涼しかったので
上野の不忍池へ蓮を見に行きました
良い感じで咲いてます

掘り出し物

ジョセフ・ゴードン=レビットの顔立ちが好きなので
つい借りてきて観てしまったSF映画 LOOPER ルーパー
タイムトラベルと超能力という詰め込みすぎなネタ
フィリップ・k・ディックの小説が原作のような相変わらずの世界観
ブルース・ウイルスの無駄遣い
しょぼいアクション
の割には意外によかったラスト
憎悪の連鎖の話です
結構掘り出し物かも

7月16日

青空の森に避難

いきなり涼しくなりました
猛暑になれた身体にはちょっと寒いです(笑)

気温29度、湿度50%
平年並みの夏らしいですけど
平年並みの夏なんて経験あります?
猛暑か、冷夏
自然界が平均値を提示してくる事ってあまりない

7月17日

今日もお絵かき日和です

最近、「順番」についてよく考えます
ポータブルプレイヤーの発達のせいか、おかげか
アルバムの曲をシャッフルして聴く人は多いと思いますが
あれは作者がならべた曲の順番があって
なるべくならそれに従って聴く方がいいような気がします
物語は
たわいもない話でも話の順番を変えるだけで
ずいぶんと違った印象になります
絵も
描く順番を変えるだけで
まったく違う絵が出来上がったりします
普段の生活でも
順番を間違えて大変なことになったり
たかが「順番」なんですけど
順番はとても大事

7月18日

楽しい午後

お仕事は涼しい午前中で終わらせ
午後は「日経 LINUX」を熟読
来年XPのサポートが終了するので
うちのネット専用XPマシンには今人気上昇中のXPライクなLINUX
MINT LINAXをインストールしようかなと考えているだけで楽しい(笑)
このマシンはファンレスで動く省電力で非力なマシンながら
ネットやメールだけでなく
photoshop7(2002年)とdreamweaver8(2005年)という古いアプリが軽快に動いて
ホームページの更新に役立っています
wineというLINUXのアプリを使えばwindowsのアプリが
すべてではないけれど使えるようです
(adobeのアプリは動くらしい)
MINT LINUXでも使えそう
って考えているだけで楽しい (笑)

7月19日

楽しい午後その2

linux mint 14 nadia

早速
日経Linuxの付録のDVDから
Mint Linuxをインストール
Mint Linuxは、ヴァージョンごとに女性の名前がついていて
インストールしたバージョンは14で、名前はナディアさん
(最新版は、ヴァージョン15のオリヴィアさん)
使いやすさ、操作感はほとんどウインドウズ
デスクトップのかっこよさはウインドウズ以上
ネットにもすぐ繋がるし
他のウインドウズとのファイル共有も簡単
Gimpというほぼphotoshop相当のアプリを立ち上げてみたら
普通にペンタブレットが反応したので
絵を描いてみました
なんと最初からワコムのタブレットドライバーがインストールされてます
ちょっと前に比べるとものすごく手軽になってます

ちょっとうっとり
またLinuxにはまりそう

7月20日

仕事もせずに朝からMint Linux
wine1.6というLinux上でウインドウズのアプリケーションが動作するソフトを使って
ためしにMint Linuxに
ウインドウズのホームページ作成ソフトdreamweaver8 を入れてみたら
普通に動きます
(今日の日記はMint LInuxから更新)
いかん、楽しい・・

7月21日

linux mint 15 olivia

Linuxには、mypaintというワコムのタブレットの筆圧検知に対応し
painter並に豊富なブラシがある
素敵なお絵かきソフトがありました
最新版(というかRC版?)は、software managerからインストールできなかったので
ターミナルからコマンドラインでインストール
以下は覚書です

ターミナルエミュレータを起動して

$ sudo apt-add-repository ppa:achadwick/mypaint-testing
を入力してenter($は入力しない)
$ sudo apt-get update
を入力してenter
$ sudo apt-get install mypaint mypaint-data-hires
を入力してenterでおしまい
メニューのグラフィックスのところをみると
ちゃんとmypaintの項目があるので
そこから起動します

mypaintとgimpを連携させれば
絵のお仕事は、Linux Mintでちゃんと出来ます
ただ
印刷所へチラシやDMのデザインを入稿したりするのは
まだ無理かもしれない

筐体にこれ以上ハードディスクが入らないので
無理やり古いIDEのハードディスクを筐体の上に乗せて
Linux Mintをインストールしたお仕事2号機
だんだん雑多な感じになってきましたが
こういう雰囲気はけっこう好きです

7月22日

linux mint 13 maya

子供の頃
涼しい午前中に宿題を済ませて
午後遊びましょうとよく言われました
(もっともうちの学校は宿題というものがありませんでしたが・・)
最近はそんな懐かしい夏が続いています
歳のせいか
朝夕は涼しいというより寒い


大人になったら
涼しい午前中に仕事をしましょう
午後はお昼寝

7月23日


おやゆび猫の豆本のイラストが出来上がりました

来月末のグループ展で展示販売いたします
3年ぶりのおやゆび猫
第6弾「目には見えない小さなポスト」
今回はアクションものです
サム・メンデス監督の007最新作「スカイフォール」を意識しました(笑)

7月24日

linux mint 3 cassandra

買い物から帰ってきて
ズボンのポケットから財布を出そうとしたら
一緒に耳かきが出てきました
どうやら
出かけるときに
財布と一緒に耳かきもポケットにいれたようです
どうして?
ちょっと自分が怖い

買い物に耳かきをポケットに入れていくのも
どうかしてるが
あんなかさばるものをポケットに入れて
気が付かないのもどうかしてる

7月25日

Linux Mint 6 Felisia

ナディアとはお別れして
オリビアという新しい女性とつきあうことにしましたが
モニタの解像度の設定がうまく行かず
結局ナディアとよりを戻すことに・・
LinuxのOSのバージョンが女性の名前だと
後ろめたいやらなにやら複雑な気持ちになります(笑)

7月26日

linix mint 2.2 bianca

ギャラリーMalleに来月のグループ展のDMを取りに行って
さあ帰ろうと
自転車のワイヤー鍵をはずそうとしたのですが
はずれない
どうやってもはずれない
しかたがないので
ワイヤー錠のついた後輪だけはずして
たまたま目に入った合鍵屋さんで外してもらおうと思ったのですが
はずれない
そのお店には大きめのペンチなどの工具が売っていたので
じゃあ、切断することはできますか?と聞いたら
ああ、切るのは簡単!とお店のご主人
地面に置いてテコの原理を使って切断する工具で
ワイヤー錠はあっさり切れました
うーむ
自転車にワイヤー鍵なんてかけていても
本当に盗もうとしている人には意味ないんですね

7月27日

どうぶつの森 展

友人の造形作家の高山弘さんと
イラストレーターの福田紀子さんの参加している
グループ展を観にギャラリーコピスへ
高山さんのゾートロープは相変わらず素敵だし
(うさぎが踊る立体アニメーション)
福田さんは普段はイラストレーターを使って
かわいくてスタイリッシュな絵を描くのですが
展示された絵はクレヨン画
やわらかな雰囲気が素敵

絵描きは動物好きが多いので
動物愛を感じる素敵なグループ展でした

7月28日

linux mint 8 helena

いろいろなバージョンを試してみて
(いろいろな女性と付き合ってみて)
最終的に
うちの3台のパソコンのうち2台にlinux mintを入れて稼働中です
(nadiaさんとoliviaさんとの二股交際)
なんだかうちは
庇を貸して母屋取られる的な状況になってしまい
ウインドウズの存在が危うくなってきてます

linuxのカーネル(OSの中核部分)は
世界中にいるメンテナーというリナックスコミュニティに公認された人たちによって
開発されています
(日本にも20人くらいいるそうです)
彼らはメーリングリストを介して
世界中から送られてくるプログラムをカーネルに取り込んでいます
さらに
新しいプログラムの提案や改良修正を送ってくる人たちがいて
その人たちをコントリビュータと呼びます
コントリビューターは世界中に3000人くらいいるそうです
この人たちのおかげで
僕らは無償で素敵なOSを使えるわけですが
linuxは
こういう世界観にもぐっとくるでしょ
とても未来的

7月29日

正しい秋葉原

ハードディスクの切り替えを物理的にやろうと思って
秋葉原の秋月電子にトグルスイッチを買いに行きました
秋月電子通商は
僕が子供の頃からある老舗の電子部品屋さんです
工学系の学生にとってはここでバイトすることがステイタスになっちゃうような
そんなお店
中学生ぐらいの男の子がブレッドボードを探しにきたり
(ブレッドボードは半田付けせずに回路が組める今流行の実験用ボード)
リタイアされた元凄腕の技術者っぽいおじいさんまで
目をきらきらさせてパーツをあさっています
今日は工学系の大学生っぽい女の子までいて
ちょっとぐっときました
日本の物づくりもまだまだいける

いいかげんな僕の電子工作
これで完成(笑)

夜は神楽坂で打ち合わせと称して呑み
好きな音楽の絵を描いていいよ、といううれしいお仕事でした
まあ来年の話ですけど

7月30日

linux mint 10 julia

鈴木康士さんの個展へ
ギャラリーMalle

とてもエレガントで繊細な絵です
普段はフォトショップなどで仕事をされているようですが
今回展示用に油絵で描いたそうです
背景に溶け込んでしまうような透明感がある人物画は
本人のパーソナリティに近いかも

透明感って大事です
自意識の無さですから

その後は絵描きの友人たちと呑み会
ふと周りを見渡せば絵描きの中では
僕が一番年上なのね
そういう年齢になりました
(しみじみ(笑)

7月31日

linux mint 1.0bata ada

ウィンドウズからlinuxへの移行もほぼ完了
順調に動作しています
日本でのOSのシャアはわずか0.5%
(世界では1%)
もうウインドウズでできることは
ほぼできます
ウイルスソフトなんて入れなくても大丈夫
(今のところは)
もうちょっとシェアが伸びると嬉しい
ただなんだから