かものはし日記2013年6月号


6月1日

映画「桐島、部活やめるってよ」を観る

鏡のような映画です
観る人によって印象が違うような気がします

人に観られることを意識して生きていくか
自分の中の情熱に従って生きていくか
観られることを意識して生きていく場合
努力とか、才能とかが必要になってくるんでしょうけど
情熱で生きていけるのなら
必要なものはすでに全部持っていると思います

6月2日

部屋の中が山椒のにおいでいっぱい

山椒の実をいただいたので
佃煮にしてみました
水にさらしてアクを抜いたり、いろいろ下ごしらえをしなくてはならなくて
夕食には間に合わず
明日の朝食が楽しみです

6月3日

納豆に山椒の実の佃煮を入れてみました
なかなか美味
冷や奴もいいね

イラストのサイズを間違えて描いてしまい
どんよりする
けっこう良い感じで描けたのに・・

6月4日

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naked eye

スパムメールが来ない日はないけれど
めずらしく
リアル郵便受けにチラシが入っていない

6月5日

ギャラリーMalleでグループ展の打ち合わせ

良い天気です
自転車日和でした
もう梅雨も明けましたね(笑)

グループ展は、8月27日から9月1日
メンバーは、高田美苗さん、まつやまけいこさん、夢島スイさんと僕の4人
テーマは、「目には見えないいきものたち」
まあなんでもアリな感じですな(笑)

6月6日

あこがれ禁止

知らないうちにワールドカップの出場が決まったようです
ネットで本田さんのコメントを読んでいたら
俺に対するあこがれ禁止
というのがありました(笑)
あこがれは依存ですから、自立の妨げになります
彼はビッグマウスと言われているけれど
自意識というモノの危うさをちゃんと理解していて
チームという組織の中ではもちろん
マスコミという対外的な部分でも
自意識の出し入れが上手
見事な「自意識使い」と申せましょう
彼のような「自意識使い」が増えれば
彼がリーダーになってチームを引っ張る必要もなく
自然と機能していくんでしょうね
blave new world
ついに新世界がくるのでしょうか?
楽しみです

6月7日

映画監督デビッド・リンチ先生の新作アルバムが楽しみ
http://davidlynch.com/

TBD716という超ショートフィルムが公開されていて
男が雷に胸を貫かれているだけというミステリアスなものです
相変わらずなんだかわからないのに
わくわくさせちゃうのは流石です

6月8日

吉祥寺でバンド練習

数年ぶりにドラムを叩きました
相変わらずへたで笑えます
ぼくってけっこう器用で
そこそこなんでもこなせるはずなのですが(思い込み?)
ドラムはいっこうにうまくならない
ギター&ボーカルは、ロック師匠である絵描きのひろき真冬さん
ベースは、これも絵描きの槻城ゆう子さん
そしてドラムは僕というシンプルなスリーピースバンドです
ピンクフロイドの
breathe in the air と us and them
あとbauhausみたいな曲を練習しました

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ドラム越しにギターとベースを撮影
ベースの人、手袋してます(謎)
(理由を聞くのを忘れました)

6月9日

風邪をひく

数日前から久々に風邪かな?という予兆がありましたが
今日ようやくちゃんと熱が出て寝込みました
昨日のバンド練習の音源をいただいたので
ひどいドラム演奏を聴いて,さらに熱を上げ
風邪の進行を早めます(笑)
夜には、汗をいっぱいかいて身体がずいぶん軽くなりました
ひどいドラムのおかげですな

6月10日

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「する賀てふ」

図書館に行ったら
歌川広重の浮世絵展をしていました
遠景の小さい人々がシンプルだけど実に丁寧に的確に描かれていて
うっとり
この絵が好きです

6月11日

ようやく梅雨っぽくなってきました
近所のパチンコ屋の前に咲いているあじさいの薄い紫が
とても美しい
晴れの日に通っても気がつきませんでした
薄紫色は、曇天だから映えるんですね
勉強になります

6月12日

ポルノグラフィな世界

アイスランドでは、ハリウッド的な「泣いた、感動した」というような物語を
「感情ポルノ」と言うのだそうです
いい映画だったね、と言ってすぐ忘れ去られるような
感動の消費のような映画
先日ネットでコラムを読んでいたら
自己啓発本や有名な企業の創業者の成功本をキャリアポルノと呼んでいました
成功した人の物語とかドラッガーとかを読んで
自分もその気になって盛り上がって
俺はすごいって気分になるだけだからそうです
そうなると
この世界のほとんどの文化はポルノってことになりそうです
消費という物語の檻の中に入れられて
高揚感と失望の繰り返しが
延々と死ぬまでつつきます

死ぬ前に
これはただの自慰行為なんじゃないの?
と気がつけるといいんだけど
なかなか難しい
自慰行為って楽しいからね(笑)

6月13日

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john zorn / concealed

去年の暮れに音楽ファイルが全部すっ飛んで以来
(ハードディスクのPBRが壊れた・・復旧できず)
ほとんど音楽を聴いていなかったのですが
久々にジョン・ゾーンの新譜を聴いてみました
彼のすごいところは
もう音楽にオリジナルなんてない!と言い切り
作曲家としての自意識を捨て
最近はプレーヤーとして演奏もせず
友人の音楽家たちに全部演奏してもらい
ひたすら自分を捨て他人を生かすことに徹しているところ
(本意はわかりませんが、そういうふうに聞こえる)

今回もユダヤの伝統的な音楽をベースにしたジャズです
ジョン・メデスキのピアノが特にいい

ユダヤの格言
自分のことだけを考えている人間は、自分である資格すらない
(耳が痛い)

まさにジョンは格言通り
自分を捨てることで、唯一無二のジョン・ゾーンの音楽になっているような気がします

6月14日

今日は何を食べればいいのだ、と
スーパーで途方に暮れていたら
横で
おばあちゃんが
「食べるのがめんどくさい。」
と、店員さんに愚痴ってました
思わず笑っちゃいましたけど
なんとなく気持ちはわかるな

6月15日

日本にとってサッカーは
勝ち負けうんぬんというより
サッカーという競技とその周辺の報道を通して
組織や個人の振る舞いの新しいあり方を
示唆してくれるんじゃないかと思ってます
音楽もアートももちろんそういうことをしてきたのだけれど
メジャー度という意味ではサッカーの影響力は計り知れない
野球はだめかな
ナベ○ネさんがあと100年は生きてますから(笑)
ボールの反発力変えろって言ったのあんたでしょ

6月16日

浅草はいつも人がいっぱい

午前中は雨でしたが
午後から晴れてきて、風もさわやか
浅草で、ビールとたこ焼き
人混みの中にいるのって、かなり好きです
浅草、上野のアメ横など
人混みの中にいるとなんだか元気になります
絵も
モブシーンを描くのが一番好きかも
大変だけどね・・

最近お気に入りの映像
ワニのカイマン君
人の心が変れば、自然のあり方も変ります、きっとね

http://www.dailymotion.com/video/x3zrv8_caiman-kun_news?start=14#.Ub1xTeeeO8I

6月17日

心理学者のなんとかという人の話によると
残念ながら
人間の脳はマルチタスクじゃないそうです
ガムをかむなどの反射的な作業を除けば
一つの作業しかできないそうです
もうひとつ別の作業をするスペースはほとんどないみたい
(聖徳太子はやっぱりフィクションだな(笑)

ご飯を食べるときはご飯を食べることに集中
絵を描くときは、絵を描くことに集中
テレビを観ながら、妻や彼女の話を聞くことは出来ない
リア充の人は気をつけましょう
よけいなことも考えない
「ながら」はいけませんね

6月18日

良いモノは
大事に長く使いたい

木製自転車
http://www.designboom.com/design/wood-b-wooden-bicycles-by-bsg-bikes/

とても美しい自転車です
使い込むほどに味が出てきそう
パソコンなどのITモノが残念なのは
高いお金を出して良いものを買っても
味が出る前に
使えなくなっちゃうことですね

不注意で傷つけちゃったり
自分で修理したり
磨いたりして
長い時間をかけてモノとの関係性を育んでいく
うちの自転車たちも良い感じで傷だらけになってきました

青春の自意識と恋愛を描かせたら

何気なくコンビニの雑誌コーナーを覗いたら
あだち充先生の短編マンガが載っていたので
つい立ち読みしてしまいました
コミックスペリオール タイトルは「リリーフ」
高校生ぐらいの頃読んだ「ナイン」は衝撃的でした(これも立ち読み)
少年マンガの黄金パターンがほとんどなくても
ちゃんと物語として成立している
短編は初めて読みましたが
相変わらず切り口がみごとです
質のいいラブソングを聴いた感じ

6月19日

世界中のミツバチが消えている

「もしハチが地球上からいなくなると、人類は4年以上は生きられない
ハチがいなくなると受粉が出来なくなり、そして植物がいなくなり
そして人間がいなくなる。」アインシュタイン

どうやら
ミツバチ消滅の原因は
ネオニコチノイド系農薬にあるようです
神経をやられて
外に出ると巣がわからなくなる
この農薬で北半球のミツバチの4分の1が消えたそうです
日本ではこの農薬の規制が緩くて
欧州の人たちの500倍くらい摂取している
そのうち
帰る家がわからなくなるお父さんが続出したりして

6月20日

ビールがいっぱい届く

ずいぶん前に
老舗のSF系小説同人誌にイラストを描いたのですが
そのお礼にビールを頂きました
恐縮です
(前に編集長に、原稿料と称しておごってもらった気がするけど(笑)
僕の学生時代からあった同人誌ですから
もう30年以上続いています
プロで活躍されている方もいるし
そういうのとは無関係に作品を書き続けている方もいるし
情熱のあり方はいろいろです

6月21日

梅雨らしい一日

しとしとと雨音が聞こえて
肌寒く
湿度がしっとりとまとわりつく
これが日本のエロスの根幹ですね(笑)

6月22日

梅雨の晴れ間

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昨日とはすっかり変って
さわやかな一日
そこそこの日差し、適度な湿度、やや冷たい風
こんな日は
ウインドウズ7の度重なるアップデートで
空き容量がなくなりつつあるCドライブを広げるのにはうってつけです
EASEUS Partition Master
このフリーソフトを使ってみました
昔に比べると実に簡単です
英語版ですが、操作は簡単
Cドライブがどーんと広がって、実に気持ちがいい

空性こそ愛
愛は何もない空間に存在します
空き容量にこそ愛が宿ります(笑)

6月23日

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そこそこ

ついでにデフラグ(ハードディスクの断片化の解消)もやっておく
Defraggler
これもフリーソフト
このソフトのいいところは
完全にデフラグをせず、重度に断片化したところだけを最適化し
ハードディスクをそこそこ良い感じにするところ
完全主義じゃないところがいい
「そこそこ」
「ちょぼちょぼ」
「ぼちぼち」
日本語はいい言葉がいっぱいあります
そこそこにこそ愛は宿ります(笑)
完全主義って、自尊心しか伝わってこないもん

6月24日

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ザックは変えなくていいのよ

目先の勝敗にとらわれてはいけません
大きな物語として楽しまないと
セルジオさんの「ザックやめろ」発言も
物語の中のひとつの台詞です
10年くらいまえに比べれば
日本のサッカーはずいぶん進歩したような気がします
(おれの絵は進歩したのか?)
結局
来年のワールドカップが
3試合(予選だけ)で終わるのか
それとも
えっ、5試合も楽しめちゃうの?
ということでしょ

6月25日

自戒

テクノロジーは(特にIT)
みんな違ってみんないいという金子みすず的な横の世界を
みんな同じで格差がいい
という縦の世界に変えつつあります
お金はもちろん
正義感、道徳観、常識など
みんなと同じ価値観を共有させられ
その中で
自分が人よりもちょっと高いことをアピールすることで
自尊心を満足させる
それが幸せという「だけ」の社会になりつつあります
無意識に自分の感情をネットに書き込む前に
自分の思考と感情を一歩引いてじっくり眺めた方がいいかもしれません

ネットに世界に発信すべきことなんてほとんどない
と気がつくかも

6月26日

先週いただいたビールを
毎日一缶呑んでいます
机に座ってじっと一人で呑んでいると
350ml缶も呑みきれないので
(普段ひとりじゃ呑まない )
夕食を作りながら呑んでます
ワインを飲みながらパスタを作ると
村上春樹の小説の主人公になりますが
僕の場合は
ビールを飲みながらゴーヤチャンプルーを作る
いい感じです

6月27日

図書館から借りてきて、適当にページを開けて読んでます
メディア評論家の粉川哲夫さんと音楽ライターの三田格さんとのメールでの対談集
お二人とも昔からお世話になっている人たちです
(もちろん著作物だけで)
粉川さんはメディア評論家なのにSNSはやめるし、携帯も持っていないそうです

適当に読んでいるので、文脈がよくわからないのですが
「人格はプラグイン」という言葉が面白い
人格って、付属物にすぎないのかも
なくてもいいんだな

6月28日

江戸っ子の強がりは粋なのかもしれない

大家さんがシンガポール旅行から無事帰ってきました
留守番を頼まれていたので
お礼に
ドライフルーツの詰め合わせと
なぜかシンガポールのホテルの歯磨きセットと靴下(笑)
をいただきました

「いや、たいしたことなかった、日本と同じ」

そんなことはないと思いますが(笑)
さすが大家さん、生粋の江戸っ子は言うことが違いますね
(素直に楽しかったって言えよ)

6月29日

老眼の対処法

眼鏡をかけると
絵の細かい場所を描くときの筆がおぼつかない
かといって
眼鏡をかけずに描いていると
今度はパレットの塗りたい色の場所がよくみえない(笑)
どうしたものかなと困っていたら
先日
押し入れを整理していた時に
古い眼鏡をみつけてかけてみたら
度が弱いので
絵の細かい場所も
遠くにあるパレットの色の場所も
同時に見えることが判明

しかし
このメガネ
ジョンレノンがかけていたみたいな丸メガネです(笑)
昔はこういうのが流行っていたのかな

6月30日

暴力

誰かに会った瞬間
その人のありのままを受け入れず
自分のフィルターを通してその人を判断し
そのデータを脳内ハードディスクの中のフォルダ
「先入観」に書き込む
次に会ったとき
新しい先入観を上書きする
このあたりまえな一連の作業が多分すべての暴力の源泉かも