かものはし日記 2012年3月号


3月1日

展覧会のはしご

ヨシカワゴエモンさんのスポンジオブジェ(虫や動物)の
曲線は相変わらず美しいし
まつやまさとこさんの布絵は
いちだんと洗練され、とても品がいいし
撫子凛ちゃんの描く戦闘的女子高生は
かわいくてりりしい

自転車瞑想

都内を自転車で走ると言うことは
そこそこ危険なので
注意が常に「今」に向けられていて
余計なこと(昔のこととか未来のこと)を考えなくてすむので
気分転換にいいみたい

今日は
表参道、恵比寿、茅場町をめぐってきました

leonard cohen / old ideas

カナダのシンガーソングライター、レナード・コーエンの新作です。傑作です。
77歳なのに・・
50を過ぎて、メジャーデビュー
恋愛、鬱病、ドラッグそして禅僧

ロック親父、必聴!

3月2日

違う「文化」を求む!

先日
かとーさん、俺は鬱病なんだよ
と、とある方が言うので
僕も鬱病だし、世界中全員鬱病ですから
精神科医にお金を払っているかいないかの違いだけ
と答えました

そもそも
人間の生み出した文化そのものが鬱病のような気がします
人類が溌剌とした人ばかりだったら
今のような文化が存在したかどうか
惨めな自分をどうにかこうにかやり過ごすために文化があります
もともとデフォルト(初期設定)が「惨め」なわけですから
「惨め」は親から子供へと大切な宝物のように受け継がれていきます
惨めだから違う自分になろうとして努力なんかしてみたりして
惨めな自分を観ないように
それが文化です
(レナード・コーエンにグッと来てちゃだめなんだけどさ・・(笑)

いったいこの初期設定は誰がしたの?

3月3日

初めてのクスクス

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作るのはもちろん初めてだし
食べるのも初めて

ようするに小さい小麦粉の塊ですが、おいしかったです
食感もいい
お湯を入れて10分ほど蒸らすと出来上がるので
災害時の非常食に便利

3月4日

やれやれ

先週あたりから不穏な動きをしていた
ワコムの液晶タブレットが
ついに画面が出てこなくなり絵が描けなくなりました
まだ買って半年もたっていないのに
早速ヨドバシカメラに電話をして入院決定

3月5日

優しい対応

タブレットの修理の手続きのため
ヨドバシカメラに電話をしたら
担当のおねえさんが
メーカーに直接電話をしてくれたり
いろいろと修理費用(というか輸送費)が安くなるように提案してくれました

3月6日

the known universe

http://www.youtube.com/watch?v=17jymDn0W6U

宇宙という広大な空間の中で
ちっぽけな自我にとらわれているのはつまらない
自我は宇宙で一番小さい
素粒子より小さい

3月7日

液晶タブレット入院

こういうときに限って仕事がやってきたりして・・
古いタブレットで絵を描きます

「こういうこともあろうかと思って、実は!」
主人公たちが窮地に追いやられたとき、なんの伏線もなく秘密兵器登場!という
ご都合主義的台詞として有名ですけど
グレートマジンガーの兜博士、宇宙戦艦ヤマトの真田工場長(空間磁力メッキ)など
アニメに出てくる優秀な技術者は常に最悪の事態に備えています

 機械はバックアップが大事
小学生の時、彼らから学びました(笑)

3月8日

確定申告終了

これが終わると春だ!

3月9日

個展が終わったら
次は何を描こうかな、と漠然と考えていたら
そうそう、忘れていました

江東区清澄白河にあるギャラリーコピスという場所で
5月の後半、グループ展があり
それに参加します
テーマは「幻獣」

幻獣というと、ドラゴンとかケンタウロスとか人魚とか
妖怪もありかな
あまり描かないジャンルなのでちょっと楽しみ
というか
エロでも大丈夫なのか
それを主催者さんに問い合わせ中(笑)

3月10日

ジャン・ジロー・メビウス逝去 

わたくしの心の師匠が逝ってしまいました
残念です

光になる前にちょっと僕の個展を覗いていって欲しい

3月11日

新宿経王寺にて
東日本大震災慰霊鎮魂大法要

お昼頃から日差しは春らしくなってきましたが
まだまだ気温は低く
そんな中
水垢離(水をかぶって祈願する修行)を観て
ご住職の
普段はお酒を呑みながら生きてりゃいいのよという
優しい笑顔とは別の側面を感じてきました

震災から一年
日本の方向性がどうのこうのというのではなく
ひとりひとりが
なんとか主義(特にナショナリズム)や思想や宗教などに依存せず
はつらつと自由に生きて行くにはどうすればいいか
ということを
考えるのではなく
行動していければいいなあ
って思います

3月12日

個展「ソングライン」とライブの詳細

 

今回は
こんな感じで絵本形式で展示します
タイトル画を含めて全部で17点
(一曲の音楽が、人々が依存していた価値観や主義、思想、宗教などを
ゆっくりと優しく滅ぼしていくというお話です

25日のライブの時
鈴木生子さんのクラリネットの演奏で
原洋子さんが
プロジェクターに映し出された絵と一緒に
絵本の文章を朗読してくださいます
(あと、茨木のり子さんの詩の朗読もあります)

詳細はトップページ
チラシをそのまま貼り付けておきました
よろしければ
是非いらしてくださいませ! 

3月13日

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ
邦題「裏切りのサーカス」

http://www.youtube.com/watch?v=Aco15ScXCwA

日本では5月あたりに公開される
ゲイリー・オールドマン主演のスパイ映画
原作はスパイ小説の巨匠 ジョン・ル・カレ
早速図書館から借りてきました

いいですね〜
出てくるのは渋いおじさんばかり
映画らしい映画
海外では去年公開されていて評判もいいようです

3月14日

ピナ・バウシュ 踊り続ける命

http://pina.gaga.ne.jp/top.html

現在公開中ですが、すばらしく素敵です
舞踏家ピナ・バウシュのダンス・ドキュメンタリー
躍動する自由な身体
人の身体というのは楽器の集合体のようなものなんだそうです
内臓の諸器官が音楽を奏で
それぞれアンサンブルとしてうまく調和しているときが健康な状態
そして
骨盤は指揮者
思わず彼女の骨盤ばかり観てました(笑)

地球をひとつの身体にたとえるなら
地球の骨盤は、多分重力です

ピナ・バウシュの身体と重力のアンサンブル
やっぱり人を描きたい
そう思わせる映画でした

3月15日

春の深呼吸

今年は花粉が少ないのかな
(それとも老化で鈍感になったのか)
かなり楽です

久々に春を鼻から吸いこみました

3月16日

場違いということかな

自分という「場」(自我の及ぶ範囲もしくは生命場)は
誰が計ったか知らないけれど
半径8メートルもあるそうです

結構広い

うちの場合はマンションの隣の住人まで僕の場の中に含まれてしまいます
もちろん逆に僕は彼の場の中にも含まれます
お互いの生命場が交差しながら
現実にはほとんど何の交流もないまま
彼は先日引っ越していきました
(8年も隣同士だったのに)

3月17日

ルノー主催の5時間サイクルエンデューロ

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同業者のまつばらあつしさんに誘われて
千葉県袖ヶ浦のサーキットへ
一周2qちょっとのサーキットを5時間で何周走れるか
という競技です
観ているのも楽しいけれど
やっぱり参加したいよねえ
ボーマのフルカーボンのロードバイク(お値段は80万円ほど)を試乗させてもらったら
あまりの軽さと不思議な乗り心地に
もうこれは「風」
(値段はものすごく重いけど(苦)

ああ、参加したい

3月18日

we bought a zoo

http://www.youtube.com/watch?v=rlm3VvA5RPc&feature=player_embedded

つぶれかけた動物園を建て直す話
出演は、マッド・ディモン、スカーレット・ヨハンソン
ダコタ&エル・ファニング
とても豪華
きっといい話なんだろうけど
「幸せのキセキ」という邦題はひどい

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音楽は Sigur Ros
ぴったりです

3月19日

今年の楽しみ

http://www.youtube.com/watch?v=34cEo0VhfGE

http://www.youtube.com/watch?v=a9jRaa4Wkbk

リドリー・スコット監督の最新作「プロメテウス」

人類の起源を扱った
実にSFらしいテーマ
久々ですね
アクションだけじゃないちゃんとしたSF映画
とても期待しております

3月20日

明日より個展です
よろしければ是非いらしてくださいませ

個展の搬入は
前日の19時まで写真展をしているので
当日の朝やります
朝の9時始まりですが
まさか平日の9時から来る人もいないだろうと安易な予想を立て
ゆるりと準備をしようと思っています

もしそういう奇特な方がいらっしゃるのなら
搬入を手伝ってください(笑)

3月21日

朝帰り

個展初日
お寺で呑んで、お寺にお泊まり

3月22日

個展2日目

友人がスペイン人を連れてやってきた
なんでも
日本で忍術の修行をしているそうです
忍術って手裏剣とか?
と聞いたら
手裏剣だけが忍術じゃないとたしなめられました

日本人で忍術なんて習っている人に会ったことないけど
そのスペインの人は
フラメンコ嫌い、闘牛嫌い、サッカー嫌いなんだそうです
自分の国の文化にそんなに興味がないのは
どこも一緒なのかな

3月23日

個展3日目

夜は不謹慎な人たち(絵描き)と呑み会
不謹慎ってすばらしい



平日の昼間は
あまりお客さんが来ないので
ご住職から借りたマンガ「日出ずる処の天子」を読破する
30年ぶりに読んだけれど
やはり傑作
重すぎる展開だけれど
あのシンプルな線と時折見せるかわいさに救われる

3月24日

個展4日目

夜は大学時代の友人たち(漫研、SF研)と呑み会
けっこうみんな真人間になっているので
驚く(笑)

3月25日

個展5日目

今日はライブです
いらしてくださった皆様ありがとうございます

ライブの後は打ち上げ
呑みすぎて今日もお寺に泊まる

3月26日

個展6日目

今回の個展の絵を絵本形式でまとめたポートフォリオを会場で販売しているのですが
品切れになったので自宅のプリンターで増刷(いい響き)してます
「プリンターのインクがなくなりかけてます」
というメッセージがつきっぱなしでどきどきしながら印刷していましたが
170枚刷ってもまだ大丈夫
メッセージを出すのがちと速すぎやしないか?

入院していたワコムの液晶タブレットが
帰ってきました
直っているみたいですが
歴代のワコムの液タブとはあまり相性がよくないので
またいつ壊れるか
ちょっと不安

3月27日

個展7日目

自宅からお寺までほぼ10q
毎日手頃な距離を自転車で通勤するのはなかなか楽しい

今朝
ふと思い立って
自転車保険に入ってみました
僕の不注意で誰かをケガさせてしまったときの保険です

3月28日

個展最終日

個展って考えてみれば
はがき一枚出して見に来いみたいな
ずいぶん偉そうな態度だなって思います
だから
来てくれるって、ほんとにありがたいしうれしいです
いらしてくださった皆様ありがとうございました

明日からまた新しい絵を描きます!
(いや、明日は搬出だった)

3月29日

搬出

午前中はお寺で搬出作業
午後は世界堂によって
来月末のチャリティ展用のマットを買いました
真っ赤なマットです
今回は
額装するとき、絵にマットの色を合わせるのではなく
マットの色に合わせて絵を描こうと思います

帰宅後は部屋の掃除

3月30日

先日アメ横で買った
マンゴーのドライフルーツ500グラム入りを食べてみたら
ちょっと残念な味だった
巨人(タイタン人とか)の足のウオノメをはがして売ったら
こんな味だろうな

BBCの自然ドキュメンタリー映画「ワン ライフ」を観る

野生動物は
どんな死に方をしても
決して惨めじゃない
人間と違って
生と死の境界がない
言葉で
生と死をわけないからね

しかし
この地球という星は不思議な星ですね
ぽつんと宇宙という虚無の空間にあって
ここだけが生命であふれている
多分宇宙でここだけなんだと思う
理屈には合わないけどそんな気がします

3月30日

二項対立反対!

久々にニュースなどを観ていると
報道って
われわれに毎日せっせと被害者意識を植え付けているよな〜って
数人の加害者を設定して
加害者、被害者という対立構造
善悪とか、神と悪魔とか
世の中にはいろいろな二項対立がありますが
加害者、被害者という対立がいちばんたちが悪いような

お金を生み出すには
何かと何かを対立させること

そろそろ
そういうことはやめにしません?

3月31日

お寺で上映

ドキュメンタリー映画
「傍(かたわら) 3.11からの旅」を観に行く
トークショーで
いせ監督がこの映画はお墓参りのような映画、と
おっしゃっていたのが印象的でした

今時ハイビジョンじゃない映像がとてもよかったような気がします
むやみに美しくない
カメラの性能の選択というのも大事ですね

上映後打ち上げに参加
いせ監督の息子さん(息子さんも映像作家 伊勢朋矢さん)と
ラース・フォン・トリアーで盛り上がりました(笑)