かものはし日記 2012年2月号


2月1日

バランスポイント

バランスをとるポイントはいくつかあります
一番無難なポイントを選べば
見栄えはいいけど
おもしろくない絵ができあがり
危ういポイントを選べば
その後の展開で失敗する可能性がとても高くなる

もちろん
絵を描いているときだけではなく
日常生活でも
バランスポイントを常に探しています
たとえば
会話の中で
つい危ういポイントを選んでしまって
話がひどい方向にいってしまったからといって
加藤はひどい人だと思わないように

誤解です

2月2日

危ういバランスポイントを選択してしまい
身動きがとれなくなっています

あ、絵の話ね
人間関係ではありません

2月3日

120203.JPG - 19,087BYTES

sven kacirek / the lenya sessions

や、これはすばらしいです

ドイツのエレクトロニカ系ドラマーとケニアのミュージシャンのセッション
僕は
エレクトロニクスとシャーマニックでプリミティブな音楽との融合
というジャンルにすこぶる弱い

http://www.youtube.com/watch?v=DIDyRE9zjAM

さすがはドイツ
エレクトロニクスミュージックの老舗
ジャーマンエレクトロニクスミュージックを聴き続けて35年
彼らは世代を超えて
常にテクノロジーと自然のエレガントな接点を探し続けている
そんな気がします

2月4日

120204.JPG - 87,644BYTES

来月の僕の個展「ソングライン」は
3月11日に新宿経王寺で行われる東日本大震災の慰霊法要の関連イベント
開催されます

3月10日から20日までは
中筋純さんの写真展「チェルノブイリ曼荼羅」

僕の個展は
3月21日から28日まで

ソングラインは
走ると音が出る巨大な自転車の総称です
走る楽器というか
人力の未来
あとは「道」の絵です
変な絵ばかりで自信がありません(笑)
よろしければ是非

2月5日

時の扉展 搬入

120205.JPG - 183,851BYTES

「愛の不意撃ち」

絵は全部で3点

120205-2.JPG - 51,719BYTES

120205-3.JPG - 51,577BYTES

豆本はこんな感じ
猫と少女のイラストが12点

豆本制作は、いつもお世話になっている「谷中あずき堂」さん

という感じです

7日は18時くらいからゆるりとささやかにオープニングパーティがあります
よろしければいらしてくださいませ

時の扉 展

2月7日(火)〜2月19日(日)
12時から19時 最終日は16:00まで 月曜休廊
恵比寿ギャラリーMalleにて

メンバーは
高田明美 高田美苗 田中亜由美 永見由子
槻城ゆう子 まつやまけいこ 加藤龍勇

2月6日

120206.JPG - 452,917BYTES

自転車型音楽発生機 ソングライン リカンベントタイプ
(サイトのトップページもこの絵にしました)

来月の個展に展示する絵のひとつ
自転車に羽のようなリードが付いていて
走ったり風が吹くと振動して音が出るという設定です

思い描く素敵な未来は
人力
リュック一つで旅生活
携帯電話、パソコンなし
思想、民族主義、宗教なし 
建物もほぼなし
酒はアリ
音楽もあり

こういう世界を成立させるためには
どうすればいいんだろう

鰻好きには辛いニュース

うなぎの稚魚不漁が過去最高
というニュースを聞いてどんよりする
仕事が手に付かず
去年も鰻重は一割ほど値段が上がっていたけれど
今年はさらに上がるのかも・・

2月7日

出会うこと

作品を作ると言うことは
自分の中から何かを無理矢理しぼりだすということではなく
そういう自意識は自宅において
ふらっと散歩に出かけたら
ばったり作品に出会ってしまう
そういう感じです
それはほとんど人と出会って
仲良くなるのと同じこと

本日よりグループ展です
よろしければ是非いらしてください

2月8日

120208.JPG - 14,897BYTES

mount analogue / john zorn

神秘思想家のグルジェフに傾倒しちゃう音楽家は結構いて
有名どころでは
キース・ジャレットとかロバート・フリップやブライアン・イーノなど。
グルジェフは顔写真を見る限りでは
とてもうさんくさい
とても本を読む気にはなれないな
(音楽家でもあるらしい)
でも
このアルバムはとても素敵です
一曲のみ、38分の大作

2月9日

ラース・フォン・トリアー監督の新作
「メランコリア」を試写で観る
(ネタバレあり)

惑星メランコリアが地球に激突して
人類が滅亡する話です
とはいえ
彼の映画ですから
ハリウッド映画のような展開で話が進むわけはなく
ずっとどろどろとしたドメスティックな人間ドラマが続きます
相変わらず人の「欺瞞」を描かせたら天下一品
ハリウッド映画だったら
危機的状況下で登場人物が愛にめざめて
みんなで力を合わせて無理矢理感動的なラストに持って行くのですが
この映画は
最後までみんな自分勝手
エンドロールが出てきたとき
誰かが「何これ?」とつぶやくぐらい
何も解決されずに滅亡します

どんな状況になっても
人は自分を欺くことをやめません
震災後、何も変わらないのと一緒
ただ「欺瞞」のありかたがより精錬されただけ

自分が欺瞞的であるということに
気づくこと

物語では解決できない何かがあること

という映画なのかな

2月10日

友人と自尊心の話をしてふと思ったこと

絆という言葉が嫌いだという人が
友人に何人かいるようで
けっこううれしい(笑)

多分
そこには欺瞞や自尊心があるだけで
愛はない
と直感的にわかっているんだろうけど
じゃあ、愛は?
というところで足が止まり
愛の領域には踏み込めない
言葉で到達できる場所ではないのだ

もちろん
僕も愛がないのでわかりません

友人と音楽の話をしていてふと思ったこと

いろいろな世代のミュージシャンの音楽を聴いて
思うことは
中年以降、特に高齢者が相変わらず元気
アナログ世代ね
生まれたときからアナログの人たちは
デジタルに対しての距離感もうまい

この世界はアナログで出来ているんです
多分、生命力は
0と1の間に宿っている
無と存在の間にある

VIVA! ANALOGUE!

2月11日

グループ展会場にいらしてくださった皆様
ありがとうございます
あと一週間ありますので
引き続きよろしくお願いします

今晩は
絵描きの人たちと宴
何でもアリというか不謹慎な人たち(失礼)と呑むお酒はおいしい(笑)

2月12日

東京ゲートブリッジ

自転車は通れないそうです
う〜残念
行政はもうちょっと気を利かせて欲しいな

2月13日

今日は、ギャラリーはお休みです

120213.JPG - 99,824BYTES

手前は、ギャラリーのポスト
いつもここでオーナーにご飯をもらっています
(11日撮影)

2月14日

グループ展会場にて

120214.JPG - 123,266BYTES

先週、和服美人の女性から頂いたお花
桜が咲きました
早咲きの桜です
大寒桜でしょうか?

母親が友人を連れて観に来ました
(実は逆で母の友人がいやがる母を無理矢理連れてきた)
ちょっと観て
一瞬で帰りました
相変わらず無駄がないというか
素っ気ない
僕の素っ気なさは母親譲りです
僕のせいではありません(笑)

2月15日

個展のライブの打ち合わせ@泡盛ロックで4杯、シークワーサービール1杯

かろうじて酔っ払う前に
いろいろ決められました

来月の個展のライブイベントです

ー「ソングライン」 朗読と音楽ー

詩の朗読と音楽のライブです
茨木のり子さんの詩がメイン
もしかすると藤沢周平の短編の朗読もあるかもしれません(喜)

3月25日(日曜日)

15時30分 開場 16時 開演
場所は新宿経王寺本堂

前売り2000円 当日2500円

住所・氏名・枚数を明記の上、下記までFAXまたはE-mailにてお申し込み下さい

E-mail tagai@kyoouji.gr.jp FAX 03-3359-9907
お問い合わせ 経王寺 03-3341-1314

演者は、二人の女性です

朗読/原洋子

食品メーカー勤務を経て、プロダクション所属の役者として、舞台芝居に多数出演。
その他、洋画吹替え、ゲーム・アトラクションなどのキャラクター声優なども経験。
現在は、企業内の人材開発業務に従事する傍ら、舞台朗読を中心に活動。朗読教室も主宰。
近年の主な演目は、平安妖異伝(平岩弓枝作)、シュークリーム、桃太郎たち、戦争
で死んだ兵士のこと、生きてる(小泉吉宏作)、ともしび(杉みき子作)、いのちの
うた(村山由佳作)、サンタのおばさん(東野圭吾作)、小さいつが消えた日(ステ
ファノ・フォン・ロー作)、恋する植物(犬丸りん作)、醜い花(原田宗典作)他。

音楽/鈴木生子

クラリネット奏者

東京藝術大学卒業。アムステルダム音楽院大学院修了。霧島音楽祭にて奨励賞、
グローバルユース賞を受賞。2001年帰国後、バスクラリネット・ソロコンサートを開催。
現代音楽への意欲的な取り組みの一方、異ジャンルとのコラボレーションでは、
ダンスや語りなどと新しい場のあり方を模索しつつ、コンサートの企画・演奏などの活動を行っている。
2003年オランダでフェルデンクライスメソッドの指導免許を取得し、現在そのレッスンも行う。
2005年よりアンサンブル・コンテンポラリーαのメンバー。
コンサートなどの情報ブログ http://ikkosu.exblog.jp/

よろしければ是非いらしてくださいませ

2月16日

友人よりロバート・ハインデルの画集をいただく

絵を描いていていつも思うことは
途中でやめたいということ
完成させてしまうとどうにもつまらない

「アトリエでできあがった作品は、すべて未完成。観る人の心の情感と交感して初めて完成する。」
とロバート・ハインデルさんは言っております

未完成であるとは
隙があるということです

隙がないとモテナイでしょ(笑)

途中で打ち切られたドラマのように
未解決な謎がいっぱいある映画のように
そういうものはとても魅力的なのですね

2月17日

隙のことを考えていたら
自然ていうのは、まったく隙がないですね
完璧です
人間の心情が入り込む余地がない

でもいつか
自然の中に隙が見つかったりするのかもしれません
そのとき
本当に自然と調和した文化が生まれるのかも

2月18日

恵比寿のギャラリーまでの所要時間は
自転車だと1時間
電車だと36分
なぜだか自転車の方が速く感じます

ギャラリーに遊びに来てくれた友人夫婦と呑む
心地よくふたりにカウンセリングされた感じ

たっぷり呑んでしまったので
自転車はギャラリーに置いて電車で帰りました

2月19日

グループ展最終日


いつものようにストレッチをしていたら
腰がグキっと・・
ああ、やってしもうた
グループ展最終日なので
休むわけにも行かず
会場でじっと立っているだけでした
(動くと痛い)
ちゃんと接客できなくてすいません

グループ展にいらしてくださった皆様
ありがとうございました
参加者の方々もお疲れ様です

昨日ギャラリーに置いていった自転車で帰宅
腰痛でも自転車には乗れるのです

2月20日

久々に十次式健康法

最近の十次式は
なんとなく昔に比べるといまいち治りが悪いなと思いつつ
そこしか頼るところがないので
出かけてみましたが
ストレッチで痛めた腰は
すぐに楽になりました

ストレッチのやりすぎ

と先生に言われました(苦)
まったくストレッチで腰を痛めちゃ本末転倒です
いい歳なんだから
何事も一生懸命やらないように気をつけます

なにかこう肩の荷が下りるような絵がかけました
なんの変哲もない、地味な絵なんだけど
来月の個展の時展示します

2月21日

春の兆し

夜、自転車で出かけてみると
思ったほど寒くない
寒さの峠は越えたのかな

大林組の「宇宙エレベーター」構想とシンクロニシティ

2050年までに実現させるそうです
(多分生きていないと思うけど、ちょっと観てみたい)
カーボンナノチューブの紐をつたい
時速200キロで上昇するエレベータで宇宙まで一週間ほどかかるそうです
宇宙って結構遠いのね

軌道(宇宙)エレベータのアイディアは
SF小説家クラークの「楽園の泉」とシェフィールドの「星々にかける橋」という小説で
ほぼ同時に発表されました
これはどっちかがアイディアをパクッたわけではなく
ほぼ同時に同じアイディアが生まれてくると言う
SF業界では良くある?「平行進化」と言われるモノです
確か電話機の発明も
タッチの差でベルが特許を取ったと記憶しています

何かが同時に起こって
世界が変わる
そういうことが近い将来起こって
未来が突然素敵になるといいなあって思います
手っ取り早いしね

それは
みんなが同じ方向を向いて一緒に何かをするのではなく
ひとりひとりの個人が独自のやり方で行ったことが
ジグソーパズルのように組み合わさって
一つのビジョンが生まれる感じかな

2月22日

腰痛は怒りである

という本があります
腰痛は
老化現象、外傷、運動不足、不良姿勢、先天的異常とは
一切関係ないそうです
日常的なストレスやため込んだ思いが
痛みとなって自分自身を攻撃するというサーノ博士のTMS理論
いわゆるいい人(善良主義)は
蓄積された日常の細々したストレスをうまく発散できないので
病気になりやすいということ
憎まれっ子世にはばかる
ていうのは科学的に正しいようです

腹が立ったら怒ればいい
この世にいい人なんてひとりもいません
いい人は「主義」に過ぎません

健康のためです、悪い人になりましょう(笑)

2月23日

クルーンの引退

あがり症で大リーグではうまくいかなかったマーク・クルーン投手を
日本人捕手たち(特に横浜の相川)が
うまくリラックスさせて使い
彼の才能はクローザーとして日本で開花しました

かっこよかった

日本人は
細やかで的確な気遣いができるので
「誰かの才能を開花させる」という能力に長けているような気がします

彼の引退に対して
球団やマスコミは冷たいけれど
日本のファンたちはツイッターでたくさんの感謝の言葉を贈ったそうです

いい国だな、日本って

2月24日

ニュートリノ残念

ニュートリノが光速を超えたという話は
どうやら測定器のケーブルの緩みによる誤りらしい
つまらんな〜

自販機をWiFiスポットにするアイディアは
なかなか面白いと思う@アサヒカルピスビバレッジ

自宅の目の前に自販機のある家は
ネットがタダでできたりして
部屋探しの時は、自販機チェックを忘れずに(笑)

新宿経王寺へ
出来上がった個展のチラシを取りに行く
その後
恵比寿のギャラリーまぁるへ
大野隆司さんのグループ展を覗きに行く

酔っ払って描いたという絵がなかなかよかった
何人かの絵描きが呑み屋で呑んだ後
絵を描いて、それを展示する展覧会をやりたいね、と話す
お酒を飲むと心の中のいろんなものがはずれるから
いい絵が描けるかもしれない
(おれは、はずれるかな〜?お酒ごときじゃはずれないかも(笑)


風は春の風です
自転車でダウンジャケットを着ていると暑い

もう春ですね

2月25日

ビートたけし曰く

「すべてのエンターテインメントってのは、
技術が上がれば上がるほど食えなくなるという矛盾と戦っていくしかないんだよな。」

絵描きも
絵がうまくなりたいとみんな思っているし
一生懸命永く描いていればそこそこうまくなっていくわけですが
ほんとは
うまいか下手かという技術的な問題ではなくて
衝撃的か
新鮮か
が大事なわけです

獲得した技術を捨てることが大事だと
誰か(ロバート・フリップ先生ね)が言ってましたが
そんなことできるひとはほとんどいません

獲得したモノ(技術)をはなしたくないのは
既得権益を手放さない官僚とかそういう奴らと一緒です
(ああ、おれは奴らと一緒か、無念・・)

努力して獲得した地位、努力して獲得した技術

だから「努力」ってしちゃいけないんだよね(笑)
辛い思いをして獲得したモノは
自分の自尊心を強化してくれるモノ
決して手放さない

2月28日

おいしかった炊飯器クッキング

1.タマネギの上3分の1を横に切る
2.下3分の2のタマネギの真ん中をスプーンでくり抜く
3.くり抜いたタマネギをみじん切りにして
ショウガのみじん切りと一緒に挽肉とまぜて練る
4.練り上がった餡をくり抜いた部分に詰め込み1のタマネギで蓋をする
5.炊飯器に水1カップとスープの素1個を入れ
肉を詰めたタマネギを並べて入れる
6.炊飯器のスイッチを入れる

ピッピロピーと鳴ったらできあがり
挽肉のタマネギ包みコンソメスープ味

すごくおすすめ

ただこれを作るとご飯が食べられない・・

2月27日

ワコムの液晶タブレット不具合と生命力

朝、仕事をしようと思って立ち上げたら
電源は入れど画面が出てこない(汗)
締め切り近し・・

小一時間
コネクターをはめ直したり
何度も再起動を繰り返しているうちに
突然直る(?)

ワコムのサービスセンターに問い合わせても
原因不明
前の液晶タブレットも液晶面の接触不良で
動作が不安定だったので
おそるおそる使っていましたが
今回もそういう流れかな(泣)

パソコンというのは
安全を希求してきた人類の一つの結果
何度でもやり直しはできるし
ほとんど安全に絵がかける
でも
安全からは何も生まれません
安全を捨てたところに自由や生命力がある

不安定なワコムの液晶タブレット万歳!(笑)

2月28日

おそるおそるストレッチを再開

先週、ストレッチでぎっくり腰になって以来
一週間ぶりのストレッチ
せっかく柔らかくなった体も
一週間休むとすっかり堅くなってしまっていて
ちょっとがっかりだけど
まあ、おそるおそる無理せずやるしかないね

昨日のタブレットもそうだけど
最近
「おそるおそる」が多いな

2月29日

流れ弾注意

とある場所にやっちゃんの事務所ができて
地元住民ともめているというありがちなニュースを観ていたら
見覚えのある風景が・・って
なんだ、うちの近所じゃん

やっちゃんの事務所も原発も基地も
どこかが引き受けなくちゃいけないわけで
人間が二元論を抱えている間は
尽きない悩みです

尽きない悩みは頭の中も外も同値
という感じで2月も終わりです
(事務所の近くなんだから、家賃が安くなったりしないのかな
と、ふと思いました・・)