かものはし日記 2012年1月号


1月1日

dragon's road 2012

明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

去年もなんとかなったんだから
今年もなんとかなるでしょう

久々に実家でお正月
栗きんとんにパイナップルが入っていたのでびっくり
おいしいけど
ちょっとアヴァンギャルド過ぎやしませんか、母上

帰りは自転車はやめて電車
国道一号線は緩やかで長い長い坂が多くてつらい
新年早々やる気なし(笑)

1月2日

どうも風邪をひいたようです
お正月実家に帰るなんて
なれないことをしたせいでしょうか(笑)

1月3日

風邪で寝ているとはいえ
ずっと寝ていると腰が痛くなります

1月4日

復活

いい感じで熱が出て
すっきりしました

元気になったので
午後は浅草寺に初詣

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浅草寺のお正月用巨大お賽銭箱入れの中には
お賽銭に当たらないように
透明な箱に入ったおじさんが立っています

1月5日

豆本のイラスト

2月のグループ展は
少女がテーマなので
「猫と少女」というタイトルの豆本のイラストを描いてます

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こんな感じで12枚+表紙

1月6日

2月のグループ展のDMのデザインが出来上がりました

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時の扉 展

2月7日(火)〜2月19日(日)
月曜休廊 最終日は16:00まで
恵比寿ギャラリーMalleにて

メンバーは
高田明美 高田美苗 田中亜由美 永見由子
槻城ゆう子 まつやまけいこ 加藤龍勇

イラストを3点、豆本で参加します

1月7日

だめな絵描きの真実

絵を描くのは大好きなはず
絵を描けない自分が嫌いなだけ
絵が描けるとほっとするのは
そういうことだな

1月8日

なんだかわからないけど共存

「霊」というものは客観的に
存在するのか
それとも自意識の延長なのか
すると
どこからどこまで自分なのか
それとも
主観と客観という分け方自体が問題なのか


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ノンフィクションライターの工藤美代子さんの著書
「もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら」という
エッセイ本を読みました
霊感があると思われる彼女の不思議体験が
ノンフィクションライターらしく実に客観的に書かれています
かつては人間だったはずの「霊」に対して
差別をしない
人と同じ敬意を払う
お祓いをしないで共存を模索する
お互い気にしない
というスタンスにとても愛を感じます
お話には特にオチはなく
不思議なことを特に解明しない
というのんきな態度も素敵です
とはいえ
お化けより
その話の中に出てくる
彼女を含めた彼女の人生に関わってきた現実の人間たちの方が
ずっと面白かった

不思議なことは不思議のままでいい
「感覚」という広い世界を
「理由」という狭い世界に封じ込めて
理解した気になるのは
人間の悪い癖です

1月9日

前戯不足な世界

最近
視覚を愛撫してくれるような絵が少ない
ような気がします
絵に限らず全体的に

村上春樹の文章を女性が好むのは
愛撫されているような感覚が彼の文章にあるからだと思います

デッサン力や描写力のある絵は
感心するけれど気持ちよくはない
前戯をとばして
取りあえず腰を振っておけば問題ないだろ
という感じ
前戯こそがオリジナリティなのに

前戯をおろそかにするのは
この世界に
多分締め切りという制限時間があるからかもね

自分の絵を見ながら
いろいろ反省してます(笑)

1月10日

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tori amos / night of hanters

去年の秋ぐらいに出た新譜
ドイツのクラシックのレーベル グラモフォンから出ているところが渋い
立ち位置は、ケイト・ブッシュとビョークの間
ややケイト寄り

クラシックをアレンジしつつも
大げさにならない品のいいポップミュージックに仕上がっています

あまり品のよくないジャケ写に惑わされないよう(笑)

1月11日

早朝自転車

意外と寒くないのは
体がようやく冬仕様になったからかな

なぜか明け方の西の空に浮かぶ満月は
びっくりするぐらい大きく見えます
石ノ森章太郎のマンガ、幻魔大戦のラストシーンみたい

1月12日

観ること

蚊の針を研究して
刺しても痛くない注射針の開発が進んでいるそうです
(蚊の針は直径が髪の毛の半分ほどの針が3本あって
その中の2本が振動することによって、小さい力で皮膚を刺すことができるらしい(凄)
蚊の針の観察研究だけで
10年
商品化までにはあと5年かかるそうです
絵描きもこのくらいじっくり「観察」をしないといけないね

1月13日

ギャラリーMalleへグループ展のDMを取りに行く@自転車

なんとなく東京タワーが観たくなったので
帰りのルートを変更
やっぱりスカイツリーより東京タワーの方が好き
末広がりな曲線とトラス構造の直線が
見事に調和しています
うっとり

1月14日

言われてみれば変わったかもしれない

ちょくちょく通っているラーメン屋の店長さんに
「味が変わったのわかりました?」
と聞かれ
「いや、わからない」
と返したら、悲しい顔をされました
というか
この味が気に入って通っているんだから
味を変えるなよ
(どうせわかんないけど(笑)

1月15日

身体性

去年から始めている柔軟体操のおかげで
わたくしは今
人生で一番体が柔らかい
柔らかい体には
柔軟な心が宿り
ひいては
豊かな発想力が獲得できるのではないか
という淡い期待を抱いている
(おれも努力しているんだよ、偉いね)
まあ成果は?だけど
身体性というのはとても大事
生命においては
ハードウェア、ソフトウェアという二元論は
適用できない
身体こそがすべて
身体一元論
身体こそが森であり大自然であり宇宙であり
意思である
ハードとソフトを分けて考えるから
いろいろなことが滞り
病気にもなったりする
と思って
今日も朝から柔軟体操

1月16日

イメージできないモノを
イメージする力

最先端の科学によると
宇宙というのはもともと9次元で
宇宙が出来るときに、その中の3次元分が膨張して
我々が住む3次元宇宙を作り
残りの6次元分は小さくなって
認識できなくなっちゃった
(こういう解釈で正しいのかな?)
というまったく訳のわからない世界は
ちゃんと数式になっていて
スーパーコンピュータのシュミレーションの結果だそうです

2次元の生き物は
3次元をイメージできないのと同様
3次元の生き物は
4次元をイメージできない
ましてや9次元なんて・・

数学にだって
最初にあるイメージがあるはずで
それはアートと一緒
かつて
アートと科学は一緒に進歩してきたのだけれど
科学はアートを置いてきぼりにしてずいぶん遠くに行っちゃったのね
(今後美術大学の授業は量子物理が必修科目になるかも)

小さくなった6次元分
ここに何かわくわくするような不思議がありそうな気がしますが
なんだかさっぱり

1月17日

アナログの孤独

今年の芥川賞受賞作家の田中慎弥さんは
パソコンや携帯電話を持たず
2Bの鉛筆でチラシの裏などにに小説の下書きをしたあと
原稿用紙に清書をするという
今時珍しいアナログな人なんだそうです

デジタルというのは
コミュニケーション重視というか
関係性がすべてという感じですが
アナログというのは
なにやら孤独で黙々とした生命力を感じます

どっちも大事なんですけど
こういう人好き

1月18日

とっちらかった絵をうまくまとめる何か

先日、つい一瞬で読んでしまった
藤沢周平の「秘太刀 馬の骨」
主人公は
それなりの剣客なのに
一度も剣を使わずに
ちょっとした石を小川に投じたことで、その小川の流れを円滑にしてしまうような
調停者の役割であるところが面白い
とはいえ
本人も物語の流れにかなり翻弄されつつ
動的で臨機応変な小石として機能しているところが見事
勉強になるな〜

1月19日

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fieldwork /door

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fieldwork /simulated progress

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fieldwork /your life flashes

ピアノ、サックス、ドラムという編成
ごりごりのハードコアフリージャズ
打楽器のような弾き方をするピアノとドラムの織りなす重いリズムが
ドスンと仙骨に響きます

フリージャズって
音楽としてとても抽象的なので
頭の中に何も情景が浮かんでこないのです
容赦がないっていうか
身も蓋もないっていうか
イメージを拒絶する感じ
くだらない妄想で頭の中がごちゃごちゃするのを防ぎます
仕事向き

1月20日

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kahil el'zabar /live at the river east art center

故郷

たくさんの音楽を聴いてきましたが
僕の最終的な故郷は
アフロスピリチュアルジャズのような気がしてきました
そんな気にさせるアルバム

物質の最小単位は粒子ではなく紐であるという
最先端の超弦理論

すべては光の帯で出来ているという
シャーマニズムの世界観
との素敵な一致

僕はこういうところに帰りたい

これはかわいい!
スロー撮影したリスのしぐさ

http://www.youtube.com/watch?v=jO3dwUKULOE

1月21日

手の脂

若い頃は
紙に手の油が付かないように
ティッシュペーパーを敷いて絵を描いていたのですが
最近はそんなことしなくても大丈夫
多分
歳のせいで
手の脂分が減ったんだね(笑)

いいんだか悪いんだか

1月22日

なんでもネットで買え

いつも下書きに使っている
0.3ミリのシャープペンの替え芯が
近頃、近所で入手し辛くなってきたので
(文房具屋さんが潰れたり)
ネットで注文することにしました
最近
ちょっと特殊なモノは
もう実店舗には置いてないんです
(0.5ミリはコンビニにあるんだけど)

便利なんだか不便なんだか

1月23日

どうせ死ねば楽になれるんだから
生きているうちは、楽しみとか幸せなんか求めず
いろいろ酷い目に遭いたいという
ビートたけしの死生観って
なかなか上品だと思います

幸せという言葉の呪縛から解放されること

1月24日

馬鹿への道

かつて
それなりに馬齢を重ねたオタクの会話と言えば
固有名詞が思い出せず
思い出せないまま無理矢理に話を進めざるを得ない状況でしたが
最近では
友人と電話越しで
お互い思い出せない固有名詞は、周辺のキーワードをグーグルで検索しながら
「思い出す」のではなく「見つけ出す」という方法で
会話をすすめております
確かにすっきりするんだけど
もう、パソコンがないと会話もできん(笑)

パソコンのせいで
馬鹿になったのか
それとも
昔の人に比べるとあまりに情報量が多いので
覚えていられないのは当たり前なのか
どっちでしょう

1月25日

僕の「思い」を現実化する能力の上限はこの辺かも

夕方
豆腐を買いに行かなくちゃいかんのだが
寒いから出かけるのがお億劫だな
と思っていたら
玄関がピンポンと鳴って
大家さんが豆腐を持って立っていた(笑)
(僕の住んでいるマンションの大家さんは豆腐屋さん)

いつも大家さんに頼まれて
マンションの各フロアの古くなった蛍光灯を交換するのが
僕の仕事であり
豆腐はそのギャランティである

ま、しかし
タイミングがいいこと

1月26日

言葉は呪術である

減税日本とか
みんなの党とか
たちあがれ日本とか
新党きづなとか
最近の党のネーミングは酷いなと思っていれば
今度は「石原新党」

言葉は呪術であって
他人もしくは自分をイメージコントロールするためのものであり
真実ではなさそうです
大事な道具なんだけど
言葉のイメージに支配されないよう、距離を置いて付き合わないと

1月27日

寝違えたのか
首が右に曲がりにくい
自転車に乗ったら
右側の安全確認がし辛くて
ちょっと怖かった

1月28日

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たまに描きたくなる抽象画
こういうフリージャズのアルバムのジャケットのイラストの仕事が欲しい
というか
ただでもやりたい(笑)

1月29日

藤沢周平の小説を映画化したモノを
去年の暮れからずいぶん観ましたが
どれもしっくりきませんでした

映像化すべきは
物語ではなく
藤沢周平の「文体」なのではないか
と、ふと思いました

今後
小説の挿絵を描くとき
文体にも注意を払わねば

1月30日

野生について考える

http://www.youtube.com/watch?v=eunywkM66CI&feature=player_embedded


1月31日

新宿

来週のグループ展の準備のため
巨大画材店、新宿世界堂で
マット加工をしてもらう
加工をしてもらっている間
いつものように時間をつぶさなければいけないので
かつて
わたくしの聖地であった
ディスクユニオン新宿店ジャズ館、プログレッシブロック館へ
久々に行ってみました
サン・ラの15枚組のボックスとか
ケン・ヴァンダーマークの10枚組とか
ぐっと来るものもあるんだけど
モノが増えるので
もう買いませんよ
ここにいると心が乱れるので(笑)
店を出て、ぶらぶら散歩をしていたら
新宿バルト9の前で足をくじいてしまいました
この建物の周辺に水はけ用のくぼみがあって
そこに足がはまって足首があらぬ方向に曲がりました
この水はけ用のくぼみ、曲線的でおしゃれなデザインなので
わかりづらくて危険です
(くじいた人、けっこういるんじゃないかな)
ご注意ください