かものはし日記 2011年3月号
3月1日
迷ったら何もしない
現代人にとって
何もしない
何も考えない
というのが一番難しいのですが
選択肢をつきつけられて
迷ってしまうのなら
何もしないほうがましかもしれません
3月2日
花の中心部分(おしべとかめしべ)をアップにして描くと
抽象画のようで面白い
3月3日
母との会話
「歳をとると欲がなくなるのよ。」
と、母が言う
「そうなんだ、おふくろはもう欲しいものがなくなったんだ。」
と僕が答えると
「あるわよ!」
と、母
(なんだ、あるのかよ(笑)会話の流れが変だろ)
「じゃあ、おいしい食べ物とか?」
と僕が聞くと
「食べ物はそんなにいっぱい食べられなくなってきた。」
と、母
「じゃあ、何が欲しいの?」
と、僕
「ちょっといい物よ。」
と、母
「ちょっといい物って何だよ?」
と、僕
「あんたにはわからないのよ。」
と、母
ほんとにわかりません、子供の頃から(笑)
3月4日
笑顔
たまたま
コンビニのレジの前に
中学生ぐらいの男の子と
同時に立ってしまい
「どうぞ」と僕が順番をゆずったら
にこっと笑って「大丈夫です」と譲り返されました
子供のニコッという笑顔を久々に観て
おじさんはぐっときました(笑)
ありがとう
3月5日
向島へ
古本市などを見物しつつ
日向ぼっこをしながら
アニメの企画の打ち合わせ
3月6日
踏み切りで線路の溝にはまる
花粉症で頭がぼーっとしているせいか
自分が小径(16インチ)の自転車に乗っていることを忘れ
不覚にも踏み切りで線路の溝にはまり
転ぶ
左足のひざ小僧に擦り傷なんか作ったりして
子供みたい(笑)
3月7日
今日やるべきことは
明日もやらない
今日やりたいことは
今やりましょう
3月8日
音波振動歯ブラシを買いました
なかなか気持ちがいいです
歯がピカピカつるつるになります
上の歯の裏側を磨くのがちょっと難しいですね
ブラシの軸の部分に歯があたってしまい
上あご全体が振動して気持ちが悪いです
3月9日
居場所問題
一般的に
人は誰でも自分の居場所を探し求めていて
それを良しとしているのですが
ひとたびそれを獲得してしまうと
それが「立場」になり
「立場」は、「都合」を生み出します
最終的には
政治家みたいに立場や都合に行動が支配されてしまう
たとえば僕は
絵描きという立場と都合で行動する
それが
想像力を奪う
(愛もなくなる(笑)
居場所なんてなくてもいいじゃない
さびしいけれど
自由で優しい
3月10日
壁ブラ
朝から仕事で必死におじさんを描いていたので
ちょっと息抜き
最近は壁ブラというジャンルがあるそうです
壁ブラジャーですね
(手ぶらというジャンルもあります)
壁を使って乳首を隠す
いろいろ考えるな〜
偉いよ、ほんと
・
確定申告
同業者の友人の皆様はもうとっくに終わっていると思うのだが
私はこれからやるのだ
やる「べき」ことは、明日でも明後日でも延ばすのがモットーだけど
さすがにそろそろやばい
いやいや申告書の封筒を開いたら
あるべきはずの用紙が入っていない
仕方がないので自転車で上野税務署までとりに行く
行きも帰りもものすごい向かい風
なぜだ
帰ってきて
計算を始めようとしたら電卓がない
いらいらしながら電卓を探していたら
ゴミ箱に足を突っ込んで転ぶ
危うく骨折するところであった
こんなのことで骨折したら
病院でお医者さんになんていえばいいのだ
とりあえず手計算
なんだか久しぶりで手計算も楽しいじゃないか
そうこうしているうちに電卓はみつかり
検算をしてみたら
計算値が全然違う・・
とりあえず
終わりました
後は知らん
3月11日
地震
細長いマンションの六階なので
ものすごく揺れました
本棚は倒れるし
食器は割れるし
冷蔵庫は踊るし
押入れから昔描いた絵がなだれのように落ちてくるし
大変でした
まだ余震は続くようですし
引き続き警戒しましょう
3月12日
枝野官房長官
がんばっているようです
ゆっくりと落ち着いた話し方がとてもいい
こういう姿は
被災地にも国民にもしっかり浸透していくと思います
3月13日
一日置いて
余震が落ち着いてから
部屋の片づけをしました
3月14日
計画停電が無計画に進行中ですが
計画停電が計画的になるまでにはしばらくかかりそうです
どんな状況でも
ひとりひとりが余計な幻想を抱かず
目の前の「今」を受け入れて臨機応変に対応する
それこそが「秩序」だし「協力」なんだと思います
3月15日
足りない電力量がテレビの右端あたりに常にあれば
(もしくは携帯のアプリ)
みんなが気をつけて楽しく
節電するのではないでしょうか
「あ、もうちょっと節電すれば、今日の計画停電は回避できそう」
とか思うでしょ
3月16日
絵描きなんて
こういう状況下でできることなど何もなく
余計なことをしても足手まといになるだけ
東京は被災地ではないわけですから
日常をなるべく穏やかに過ごす中で
気がついたことを行動に移し
あとはただ黙々と
絵を描くだけです
しかし
珈琲を買いに行ったら
全部買い占められていたのにはまいったな
恐怖心は思考が生み出すものです
想像力ってそれほど素敵なものではありません
(これを絵描きが言うと、自滅だけど(笑)
自分の想像が恐怖心から来ている事が
わかったら
それをやめることです
そうすれば穏やかにこの危機を乗り越えていけるような気がします
3月17日
絵描きの友人たちのブログを眺めてみれば
皆冷静に対応していて
心強い限りです
だいたい
こんな状況じゃなくても
勝手に危機的状況にしょっちゅう陥るのが自由業者ですから
(経済的にね、精神的にもかな)
慣れたもんでしょう(笑)
お一人様の皆様も
身軽ゆえ対応がしなやかです
みなさんそれぞれの属性を生かして
協力し合って
この状況を乗り切りましょう
3月18日
スーパーに行けば
品物はちゃんとありますね
(インスタント食品以外は)
物流はそれなりに順調のようです
ナベツネという新しい「災害」が発生中です(笑)
まだ原発は危険な状態だし
計画停電の中ナイターをやるなんて
もちろん
野球をやることは大賛成ですが
タイミングが大事
度重なる余震のせいか
給湯器が壊れました
まあ
風呂に入らなくても死なないので大丈夫
3月19日
「道」 東山魁夷
世界は実存ではなく
関係性でできています
「道」は関係性の象徴です
被災地では
瓦礫がどかされ、少しずつ「道」が整備されつつあります
その「道」が輝いて見えます
復興の第一歩は「道」なのですね
3月20日
壊れた給湯器は
古過ぎて交換部品がないようなので
新品に交換されました
やれやれ
バリカンで髪を切り
久々にシャワーを浴びました
こんな状況下でも
エロスパムメールは毎日大量に来ます
この日常性はある意味えらい(笑)
そろそろ
僕らも
不謹慎な日常を取り戻す頃合かも
3月21日
応援メッセージというのは
結局
被災者のことを本当に思っているわけではなく
(被災者の気持ちなんてわかるわけない)
応援をしているという自己満足からきているだけで
そういう自分を崇拝している行為にすぎません
逆にそれは
被災者を傷つけます
必要なのは
物資、お金、プロフェッショナルなマンパワーのみです
現実的に対応したいです
3月22日
日本の報道を観ていると
圧倒的な現実を
ちゃちな三流パニック映画に仕立てて
「逃避」しているように見えます
物語はいりません
事実だけが知りたい
3月23日
山本正子さんの個展を観に
ギャラリーまぁるへ
とても暖かく優しい絵です
表情がとても素敵
久々に自転車で遠出
花粉症がつらいので、春先はあまり自転車に乗りたくないのですが
今日は雨上がりだったので
空気が澄んでいてとても気持ちが良かった
僕は
いままで電力をたっぷり享受してきたわけですから
そこそこ放射能に汚染された食品を
食べる覚悟はあるし
(子供はだめよ)
消費税をあげてもいいし
電力不足の夏は東京の冷房を全部止めれば結構涼しくなるのでは?
(一度そういう実験をしてみたいでしょ)
とか
都内を走りながらいろいろ思いました
3月24日
新しい世界へ
原発は依然予断を許さない状況ですが
もしこれがうまく収束したら
今度は
マスコミ得意の「怒りの舵取り」が始まります
(というか、マスコミはこれしかできない)
どこに怒りをぶつけて国民の溜飲を下げさせるか
標的はもちろん東京電力や政府だし
いつものように
幹部の人がカメラの前で土下座をしてフィナーレです
そういう古いシナリオに乗らないこと
子供たちのために
震災後の新しい世界を構築するために
どうしたらいいのか
おじさんおばさんは
水道水をがぶがぶ飲みながら考えましょう
3月25日
光と影
ようやく巨人があたりまえな結論に達したようです
(人気も実力もパ・リーグに圧倒され
すでにマイナーリーグと化しているセ・リーグなのに
ますます人気がなくなるじゃないか)
怒鳴り散らしている黒幕・ナベツネと
横でナベツネと腕を組みニコニコしているヒーロー長島
昭和の光と影
このツーショットは
僕にとってはなかなか象徴的でした
光も影もどっちも無神経でした
光と影は実は結託してました
二元論の正体見たり、ということかな(笑)
3月26日
平日でも観光客でいっぱいの浅草ですが
今日は
土曜日なのに人出がまばら
こんなにすかすかな浅草というのは
初めてです
たぶん外国人の観光客がごっそり減ったのでしょう
ちょっとさびしい
3月27日
仕事の打ち合わせの後
久々にお酒を呑みました
メニューに海援隊という焼酎があったので
試してみました
加藤さんは、坂本竜馬が好きなのですか?
と聞かれたので
いや、全然
そもそも何をしていた人かよく知りません(苦)
と言ったら
あ、俺もそんな感じ
と同席した音楽家の人
実は歴史にあまり興味がありません
昔のことなんてどうでもいいのです
この音楽家の人は
自分の作曲した音楽しか興味がなくて
普段も自分の音楽しか聴かないそうです
「俺は音楽が好きなんじゃなくて
自分が好きなだけなんじゃなかろうか」
と悩んでおりました(笑)
いいな〜うらやましいな(笑)
こういう仕事を長く続けていくためには
多めのナルシズムって必要かも・・・
3月28日
おー今月は電気代が安い
問題は夏ですが
がんばりたいものです
・
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_5/table.htm
東京都地域危険度測定調査結果です
地震に対する危険度がわかります
ちなみにうちは
東京都の5,073町丁目中
10位です(笑)
なかなかエキサイティングだな
3月29日
今日はわたくしは計画停電中です
3月30日
Radikoのおかげで
ラジオが身近になってほぼ1年
最初の頃は
いろいろ聞いていましたが
最終的には大沢悠里さんだけが残りました
悠々ワイドも今日で6500回目
おめでとうございます
あなたのような変幻自在臨機応変な爺をめざします
3月31日
ジャズを中心に
いろんなジャンルの音楽を聴きますけど
ヘビメタだけは苦手なのです
でも
これは大好き!
聖飢魔U big time chenges
http://www.youtube.com/watch?v=Nc8n3JsOfSE
元の世界に戻すのではなく
システムに依存しない
新しい「何か」が生まれるとうれしい
・
なか山浩太郎さんの個展を観に
荻窪 vindens
cafeへ
小さくておしゃれなカフェです
作家本人はいないし、ひとりじゃさびしいので
近所に住んでいるたぶん仕事中であろう漫画家の友人を呼び出してしまいました
すいません、ありがとうございます
とても楽しかったです
自宅から荻窪までほぼ20キロ
青梅街道ははじめて走りました
自転車で往復40キロ
このくらい走ると走った感がありますね
太ももの筋肉の疲労感が気持ちいい
3月は花粉症であまり出かけませんでしたが
これから初夏に向けて走りますよ!