かものはし日記 2009年7月号


7月1日

もう7月なんですね

流れ星のどしゃぶり

7月2日

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昭和少年SF大図鑑 展

SF大会の絵画オークションでお世話になったOさんからのお知らせです
小松崎茂さんなどが描かれた
輝かしい未来の世界
マンモス原子力列車がビルとビルの間をすり抜けます(危険!)
ニューヨークがまるごとドーム状の宇宙船になって
太陽の横を通り過ぎます(無理!)
今は
地球環境とかリアリズムとか各方面に気を遣わないといけないので
想像力が萎縮していますね
荒唐無稽な未来のビジョンを提示できなくなっています

明日から弥生美術館で

もちろん竹久夢二の絵も観ますよ(こっちも大事)

7月3日

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最新のペインター11を入れてみました
今回のペインターは評判良さそうですね
僕にとっては
絵は、線ですから
線が気持ちよく書けるのが一番大事です

夕刻、表参道へ
大野隆司さんの個展のオープニングパーティ
奥田民生に似ている若いイラストレータのクニタケくんと
ロック話
え、クニタケくんは、ルー・リードもパティ・スミスも好きなの?
素晴らしい!

絵描きは音楽だけ聴いていれば良い
と、意見が一致しました

7月4日

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めずらしく忙しい一日


午前中は
根津の弥生美術館で
昭和SF大図鑑展と竹久夢二展
SFのビジョンというものがほとんど存在していたかった時代に
手探りで空想世界を構築しようとした
画家たちのパワーに感動しました
竹下夢二展は
いくつかの未発表の素描がすばらしい
絵は、素描まででいいんです
ほんとは
(色なんて塗らなくていいよ(笑)

午後は銀座へ
樋口ひろこさんの個展
エロティックでかわいくも危険な少女たち
表情が素敵です
会場で、ギャラリーMalleのオーナーと会って
ちょっとお茶
その後
高田美苗さんのグループ展「幻獣」展
美苗ちゃんの銅版画は相変わらず品がいい
背景の黒(闇)が自己主張せずとても優しい感じです
夕方
千駄木の旧安田邸での
北原久仁香さんの朗読と
彼女の旦那さん、純さんの津軽三味線
純さんの三味線は
切れと抜けがすばらしい
彼の三味線はモノクロームです
色が付いていない
そこがいいんだな
抜けのいい夫婦です(笑)
夜は
例によって
谷中の森の梟さん(谷中庵主人)を
中心に台東区足立区民で宴

二日連続でけっこう呑んでしまいました

7月5日

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いわゆる「自分探しの旅」というものから
ちゃんと生きて帰ってきた人はいるんでしょうか(笑)

自分なんて、結局よくわからないんだから
そんな無駄なことはやめて
他人のことをわかろうとしたほうがいいような気がします

誰かが
自分のことはわかってくれています
その誰かは誰だかわからないけどね

7月6日

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今日はしとしとと一日中雨でしたが
夕方ようやく雨が上がって
綺麗な夕焼けになりました
ちょっと得した気分です

7月7日

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七夕

働き者の男女が結婚したとたん
結婚生活が楽しすぎて
働かなくなった
その様子を見た父親が怒って、二人は離ればなれにされて・・
なんていうリアリティのない話が
ずっと受け継がれてきたのが不思議
今風の設定ならば
働き者の二人は、結婚しても働き者
ゆえにすれ違いが多くなり離婚
別れても友人でいられる大人な二人は
年にいっぺんくらいは食事でもしましょ
という感じでしょうか(笑)

午後は
中島たかじさんの個展を観に
ギャラリーマールへ
途中、入谷の朝顔市にも寄りました
帰りは秋葉原のジャンク街も覗いたりして

中島たかじさんの静物画(油絵)は、とても素敵でした
静寂と情熱、そして構築美
長年イラストレータをやっていると
アイデアばかりに気をとられ
世界をそのまま素直に受け入れようとしなくなります
彼の作品の素直さに
心が洗われました

7月8日

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今月の中央公論に社会学者、見田宗介さんの対談
「進歩の終わった世界を若者はどう生きるか」というのがあったので
本屋で立ち読み
かつて見田さんは
ナワールとトナールというシャーマニズム(カスタネダの著作)の核となる観念を用いて
宮沢賢治論を展開されていて
それが僕にとってはあまりにすんなりと入ってきてしまい
それ以来ずっとファンなのです

メキシコでは
豊かな人生を送った人に賞をあげるそうです
社会的地位に関係なく
みんなを楽しませ自分を楽しんだ人を賞賛する文化って素敵です
そんな人間関係重視のラテンアメリカの社会モデルを
お手本に
日本も進歩だ!お金だ!俺だ!あたしを見て!という20世紀の価値観を捨て
人間関係をただ楽しむ社会になるといいな〜
(お金もあんまりかからないし)
という感じの対談でした

7月9日

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古代蓮

今月の週刊新潮に
行田蓮の写真が載ってます
あまりの美しさに
見とれてしまいました
3000年近く地中に眠っていた蓮の種子が
近隣の公共工事で偶然目覚め開花したものらしいです
(SFみたい)
古代の蓮です
僕はもともと花というものがあまり好きではないのですが
(葉っぱの方が好き)
古代蓮は花弁が少なめでとても品がいい

6月20日から8月9日までが、開花期間
早朝咲いて、午後には閉じます
見頃は7時から9時頃まで

くわしくはここで
埼玉県行田市 古代蓮の里

7月10日

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早朝
大家さんと
「朝顔市も終わり、ホオズキ市も終わり
そろそろ本格的に夏ですねえ」
と立ち話

最近24時間化した近所のスーパーで
朝取りトウモロコシが売っていたので
買いました
おいしそうです
しかし何故
この不景気にスーパーが24時間化するのでしょう

7月11日

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それほど暑くもなく
湿度も低く
気持ちの良い一日
ひさびさに自転車で深夜徘徊
隅田川の桜橋で
屋形船のあかりをぼーっと眺めるのが好きです

7月12日

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浅草で
餃子の王さま
という店を見つけました
相変わらずのインチキな浅草に癒されますね(笑)

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浅草ふじ屋のてぬぐい
「熊野染」もしくは「めくじら」と呼ばれているこのデザイン
鯨を目だけで表現している斬新さにしびれます
熊野染というのは、捕鯨で有名なのが熊野灘であるところから
しゃれで付けたそうです
「目くじらをたててはいけません」というコメントもいい
相変わらずの浅草の「粋」にも癒されますね
(っていうかちょっと悔しい(笑)

7月13日

午前中
谷中の森の梟主人(谷中庵主人)宅へ
パソコンの修理
今回は、用意万端
すぐに直りました

7月14日

午前中
大家さんの家の蛍光灯の交換と
扇風機の修理

なんだか
最近電気屋さんです(笑)

午後は
仕事で落合へ(新宿)
普段なら自転車で行くところですが
この暑さ
途中で溶けちゃうので断念しました

7月15日

今日は救急車がいっぱい走っています
熱中症でしょうか
気をつけてくださいね

風に飛ばされた日傘を自転車に乗りながら空中キャッチ
(かっこいい!)
日傘をとばされて追いかけてきたおばあさんに
絶賛されました
先日は宴会で
知人が誤って落としたワイングラスを地面すれすれでキャッチ
僕の動体視力って
F1ドライバー並なのでは(笑)
職業を間違えたかも

7月16日

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妖精

妖精なんて存在しない
妖精は存在ではなく
状態である
妖精のような状態
妖精のような気持

妖精のような気持になったら
どうすればいいのでしょう?

恥ずかしがらず
詩を書けばいい

悪魔

悪魔なんて存在しない
悪魔は存在ではなく
状態である
悪魔のような状態
悪魔のような気持

悪魔のような気持になったら
どうすればいいのでしょう?

いつものおまえじゃないか

神など存在しない
神は存在ではなく
状態である
神のような状態
神のような気持

神のような気持になったら
どうすればいいのでしょう?

俺に優しくしてくれ

7月17日

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久々にメビウスタッチ
メビウスタッチをすると
心が洗われる(笑)

7月18日

今日もタイトな一日

昼間は、自転車でギャラリー巡り
60キロ
最初の10キロは、暑さでばてそうでしたが
10キロ超えると
汗も十分かいて体が軽くなります
今日は
信号運が良くて
ほとんどノンストップ
久々に走った感がありました

いけだみきちゃん、猪上絵理ちゃん、松本冴里ちゃんの三人展
「いろんないきもの」展(ビタミンTee)
バックやぬいぐるみや版画など
かわいい作品がいっぱい

パッション〜スペインからウインク展(ギャラリーMalle)
スペイン在住の日本人作家
スペイン在住経験のある日本人作家(中島史子さん)
スペインに住んでいるスペイン人の作家
日本に住んでいるスペイン人の作家
のグループ展
日本の作家でもスペインという場所で絵を描くと
なにか違う雰囲気になりますね
不思議
「場所」が描かせた絵というのかな
スペインのワイン、スペインの料理
スペインづくしのオープニングパーティ
スペインもうまいな〜

夜は、谷中の森でまったりと呑み会
みなさんの会話のやりとりが、とてもスムーズに心地よく流れていて
お酒を呑むより気持ちが良かった
みなさん、さすがな大人ですな

7月19日

土用の丑の日
近所のうなぎ屋さん「青木」(三ノ輪駅から徒歩7分くらい)へ行く
焼き具合も
ご飯とたれの混ざり具合も
肝吸いも
お新香も
山椒も
絶品です
こぢんまりとしたお店ですが、店主は気さくで女将は美人お手伝いのおねーさんも美人
お勧めです

7月20日

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松田聖子のsweet memoriesをサックスで聞く

比較的過ごしやすい一日
時折吹くサービスのような冷たい風が心地よいです
夕刻
桜橋へ夕涼み
桜橋は隅田川に架かる歩行者専用の橋です
橋の真ん中のベンチで
サックスを演奏しているおじさんがいたので
側で聞いていると
楽器を持った人たちが続々とやってきて
セッションが始まります
みなさんご近所のひとたちのようで
この光景に
人間関係を重視した
未来の人のあり方を感じました

やっぱり
これからの世界に備えて
楽器の練習をしましょう

夕食
先日、谷中庵主人に頂いた
塩うにの瓶詰め(3000円相当)を真っ白いご飯の上にのせて・・・
うう、贅沢です
お新香以外おかずはいりませんね

7月21日

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早朝
不忍の池に蓮を観に行きました
(ほんとは昨日)

7月22日

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東京部分日食猫

雨で残念でした

7月23日

思い出せないことを
となりの誰かが教えてくれる
ええと、あのほらあの映画に出ていた女優、誰だっけ?
と言えば
誰かが答えてくれる
最近そういうことを
「外付けメモリを使う。」というそうですが
今は助け合いの時代です
記憶もシェアをするということですね(笑)

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夕刻
谷中の某所にて
絵の多い飲み屋で呑む
アラーキーのサインがありました

7月24日

久々に友人と長電話
体調が戻ってよかったですね
それなりの年齢になってきましたから
それなりの障害が発生します
それなりに注意しましょう

7月25日

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隅田川花火大会

今年は、近くまで行って観ました
おお、まるで3Dドームシアターのような大迫力(笑)
花火は間近で観ないとだめですね
爆音と爆光
興奮します
景気が悪い割には
盛大な花火でした

7月26日

タイトルページ
イラスト変えました

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songline社製 自転車型ウインドシンセサイザーその2
kangaroo sax
走ると空気の流れを感知して
自転車に付いている振動板から音が出て
音楽を奏でるという設定です

今日は、若い友人の国武将さんの2人展へ
下北沢 ギャラリー トウキョウジョー
彼の絵はとても不思議
人はそれぞれのバランス感覚で生きています
そのバランス感覚が
危ういほど面白いのです

7月27日

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夕方、東の空に虹がかかっていました
虹って
完璧なデザインばかりの自然界の中で
めずらしくいまいちなデザインだと思いません?
あのグラデーションが安っぽい

空が台無しだよ

とつぶやきながら眺めていました(笑)

7月28日

明らかに極める

社会学者の加藤諦三さんによると
「諦める」とは「明らかに極める」ということだそうです
ある行動に見切りを付けて
次の行動に移るとき
前の行動にいつまでも固執している状態は
自分が明らかになっていない状態だそうです
今の自分の状態を把握せず
鈍感になっているから
次の行動に移れない
諦めるというのもある種の直感ですね

諦めるというのは
いわゆる近代自我的「がんばれば大丈夫」世界では
あまり良い意味に使われませんが
だめなものは
とっととやめて
次のことを考えるというのは
ほんとはとてもクリエイティブなことなんだと思います

7月29日

そうそう
テレビを廃棄したので
某国営放送の契約を解除しなくてはと
電話をしました
契約を解除したいというと
終始冷たい態度
何様なんでしょうね、ほんと(怒)
どうして
メーカーは某国営放送だけが映らないテレビとか作らないんでしょうか
そういうちょっと反体制な(プチテロっていうか)ベンチャー企業が出てきてもいいのに(笑)

7月30日

9月1日から一ヶ月間、墨田区向島でアート展を開催します
20人以上のアーティストが
町中のカフェなどに作品を展示したり、イベントをやったり
主催者は伝説巨人イデオンのメカデザインなどをされたインダストリアル・デザイナーの樋口雄一さん
今日は
知人の新聞記者さんと樋口さんを引き合わせるために向島へ
鳩の街商店街がメインの場所になります
これと言ったものはない街なのですが
昭和の雰囲気を残したいい感じの場所です
今時これといったものが何もないということ自体がすばらしいかも

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イデオン父

7月31日

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昨日とはうって変わって
肌寒い一日
今年の夏は、晴れたり曇ったり
不安定な天候だそうです
天候に限らず世界は着々と不安定になりつつありますが
不安定という波でサーフィンをやるような気分で
楽しめるといいかもしれません
という感じで7月も終わりました