かものはし日記 2009年5月号


5月1日

不況とかインフルエンザとかいろいろありますが
元気を出していきましょう
理由のある元気は
ほんとの元気じゃありません
理由のない元気がほんとです
なんだかわからないけど元気!、が正しい

踊ったりわめいたり
元気になります
人間とはそうゆうものです

最近のマイブームはスキップですね
早朝おじさんスキップ(笑)

5月2日

niles petter morvaer / HAMADA

HAMADAは
アラビア語で荒廃した砂漠という意味だそうです
数年前
NHKで緒方拳さんがナビゲーターをされた自然ドキュメンタリー
「プラネットアース」の素晴らしい映像が話題になりましたが
今やもうあの自然は撮れないのだそうです
それだけ環境破壊は進んでいるみたいですね

この状況に対して
音楽は無力ですが
無力だからこそできる何かがあるような気がします

ニルス・ポッターモルヴェルの
怒りと悲しみと優しさに満ちたエレクトリックトランペットが素敵です

5月3日

谷中、根津、千駄木を中心に
不忍ブックストリート
古本市がメインですが
あちらこちらでいろいろなイベントもやっています
友人夫婦が
絵本の朗読と三味線で参加するというので
見に行きました
普段はプロフェッショナルなお二人ですが
ゆるくていい感じでした

5月4日

伊藤えりさんの笙のアルバム「祈りの海へ」が
ようやく完成したようです
スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんの朗読もあります
この絵は当初
ジャケ絵のはずでしたが
ブックレットの口絵になってしまいました

来週の個展のときに
絵の展示とCDの販売もいたします
よろしければ是非

5月5日

久々に雨ですね
空気が乾燥していたので
気持ちがいいです

こういう日は越路吹雪が聞きたくなります
父親が大好きで
よく子供のころレコードがかかっていました
どうぞ

サン・トワ・マミー

そうそう
後藤の弟さんのたっちゃんが腰痛で入院だ
後藤や僕と違って
妻もかわいい子供もいるのだ
僕らのようにちゃらんぽらんというわけにはいかんのだ

たっちゃ〜ん、げんきだせ〜
そしてゆっくり休んでね

5月6日

雨が続きます
忌野さんは、ちゃん光の中に帰ることができたかな
ご苦労様でした

僕のジャズ初体験は
小学校の頃、これまた父親のレコードで聞いた
「聖者の行進」
(レコードは、サッチモではなくビリー・ヴォーン楽団でしたが)
たて笛で耳コピーして吹いてました(笑)
ジャズはもともと
ジャズの故郷、ニューオリンズで
黒人たちがお葬式の後
踊りながら自宅へ帰るための音楽
聖者の行進は、まさしくお葬式の音楽です
死を感傷的にとらえず
おまえはもう卒業だ、苦しみから解放されてよかったな
というあっけらかんとした喜びに満ちています
オヤジの葬式の時にかけてあげればよかった
僕も死んだらこの曲で天に召されたい
たぶん「聖者の行進」は
お葬式音楽(そんなジャンルがあるのかどうかわからないけれど(笑)の最高峰でしょう

5月7日

今日も雨

Jamendoという有名な音楽配信サイトがあります
たくさんのアーティストがいて
ネットラジオで気に入ったアーティストがいれば
アルバムを無料でまるごとダウンロード出来ます
音楽の全体的な傾向としては
アグレッシブさがあまりなくて
ゆるめだけど
かゆいところに手が届くみたいな
過剰な自意識を感じないところがいいのです
こういうものが
これから
新たなビジネスモデルとして立ち上がってくるのしょうか
自意識を全面に出すことで
突き進んできた文化も
そろそろ転換期を迎えつつある、ということかもしれません

自意識のない新しい文化の創造
そういうことは可能でしょうか

自意識はめんどくさいです
良いことでも悪いことでも
自意識を行使すると
その場はいいけれど結局どこかで歪みます
自意識がないときの行動は
間違いもないし
さりげないし
気持ちが良い
そういうことは滅多にないのだけれど(笑)

5月8日

さらに雨

よく行くスーパーで
店員さん(女)と店長(男)が
愛について激論をかわしておりました
良く聞いていると
痴話喧嘩のようですが
「私を愛していない。」
「それは愛じゃない。」
「私は大人だから、大人の恋愛をしたい。」
などのセリフが飛び交っています
いつも思いますけど
愛についての激論って
ほんとに愛がないですね。(笑)
女性の店員さんが、男性店長に
「とっとと出て行ってくれ。」と怒鳴っていました
店長が店員に店を辞めろという感じならば
このセリフは成立しますが
普通店員さんが店長に向かって言うセリフがではないから
どうやらこの二人は同居している?
でもどう見ても
男性は20代の独身者
女性の方は男性より10歳くらい上の既婚者に見えるし・・不倫かな?
などと余計なことを考えてしまうくらい長い激論
早くレジを打ってよ・・・(泣)

5月9日

ようやく晴れ

昨日は夕方打ち合わせがあって
その後大量に呑んでしまいましたが
今日は額装をしなくてはいけないので
使えない人になっている場合ではありません
もう遅いとはいえ
ウコンを飲んで
頭をがんがんさせながら額装しました

話に夢中になると咽が渇いて
ついお酒を水のような感覚で飲んでしまうのが
いかんのだね

5月10日

搬入です

絵を並べてみると
ギャラリーのキャパシティより
ちょっと多めに描いてしまったようですが
オーナーが
うまく展示してくださって
すっきりした感じになって安心しました
全部で24点
ほとんど動物です
谷中あずき堂さんには
新作豆本も並べてもらいました

090510.JPG - 29,918BYTES

ギャラリーまぁるの入り口のアスファルトの隙間から生えている
ツタカラクサ
小さいうす紫色の花がかわいいです

5月11日

090511.JPG - 225,026BYTES

「フクロウのふわふわの闇」

明日より
個展が始まります
よろしければ
是非いらしてください
動物たちが待っております

豆本「ワタリネコ」の詳細は
こちら

5月12日

個展初日

いらしてくださった皆様
ありがとうございます
とてもありがたいです

始まると
なんかほっとしますね

5月13日

090513.JPG - 27,069BYTES

ギャラリーのあじさいも
良い感じで色づいてきました

本日も
いらしてくださった皆様
ありがとうございます

そうそう
11日にアップしたフクロウの絵は
事務室の出口付近というちょっと気付きにくい場所にあります
見逃さないでね
この絵が一番苦労しました
(他の絵と比べると目立ちすぎるらしく
一番目立たないところに置かれてしまいました)

5月14日

いらしてくださった皆様
ありがとうございます

今日は、久々にお会いした方が多くて
25年前
一緒に仕事をしていた人が
25年前のかとーの話をしてくれて
そのかとーがけっこうひどいやつだったので
びっくりしました(笑)
25年ほど前に
お会いした皆様
すいませんです・・

そうそう
16日土曜日に個展会場で笙のミニライブがあります
17時くらいから
よろしければ是非聞いてみてください
ちょっと不思議な音です

5月15日

いらしてくださった皆様
ありがとうございます

今日は
後藤がやってきて
来年の秋
一緒にここでやる展覧会の話をしました
メインは後藤です
僕は、後藤との数点の合作で参加をします
後藤が数年前にはじめた書を使って
新しい合作をためしてみたいと思っています

090515.JPG - 26,050BYTES

さらに色づいて来ました

5月16日

いらしてくださった皆様
ありがとうございました
今日は
笙のライブなどもあり
なかなか面白い日でありました
夜は
去年の「物語の中の猫」展のメンバーと宴
来年の1月にこのメンバーで
グループ展をやらせてもらえることになりました
帰りの駅のホームで
メンバーのさかうえだいすけさんと
腕を組んで
おじさんスキップ

5月17日

090517.JPG - 28,895BYTES

個展最終日
強風の中
いらしてくださった皆様
ありがとうございました

無事終わりました
恵比寿のイタリアンでちょこっと打ち上げ

5月18日

ちょこちょこと部屋の掃除
洗濯もたまってます
仕事も若干押してますが
普通の日常に戻りました
毎日外食だったので
自分の作るごはんがおいしいです(笑)

個展の後の
何とも言えない寂しさもいいんです
(最近、展覧会慣れしてきて
前ほど感じなくなってしまって残念ですが)

5月19日

若干ネタバレあり

友人を誘って
スタートレックの試写会に行きました
(お客さんは、40代、50代が圧倒的に多かったです)
テレビシリーズの人物設定を
無理矢理変える仕掛けには感心しましたし
古くからのファンも納得の展開なのですが
全体的に暴力的な復讐劇に終始し
これじゃあ
ブッシュ政権時代に逆戻りじゃん

試写会の後、友人と水道橋で
呑みながら批評会
活劇としては面白いのだけど
もうちょっと奥行きが欲しい
同じ活劇でも
スターウォーズや特にバットマンは
アメリカ的な正義に対するアンチテーゼを
テーマに持ってくることで
ただの活劇ではなく
作品としての深みを出すことに
それなりに成功していました
テレビシリーズのスタートレックは
現実の世界情勢とリンクして
長年の宿敵クリンゴン星人と和平条約を結んだりと
着々と宇宙は平和と共存の道へと進んでいくのに
アメリカは
自分たちのやってきたことを
映画で反省する国なのですが
今回は反省がなかったかな〜(笑)

宇宙艦隊の一番最初の話に戻ってしまったのだから
しょうがないんだけど

映画というのは
やっぱり予告編がいちばんわくわくするね
という身も蓋もない結論に
達したところで
帰宅

ロミュラン星人を
見殺しにするな

5月20日

昼頃メールで飲み会のお誘い
くにちゃん、じゅんちゃん、のりちゃん、いっけんさん
と谷中の夕焼けだんだんにある「だんだん」というお店で宴
焼酎専門店です
結構呑んでしまいました
「明るい農村」「東京駅」「島流し」「ニコニコ太郎」
変な名前の焼酎ばかり
その後
先日ひぃさんに頂いた
日本酒「勝駒」を鞄に潜ませていたので
「谷中庵」で2次会
家に着いたら午前3時
(いつも午前4時起きなので、ほぼ徹夜)
明日は使いものにならない人になってるはず・・
でも、楽しゅうございました
誘ったり、誘われたりする友人たちがいるって
幸せです
感謝です

5月21日

昨夜呑んだ「だんだん」というお店
メニューの後半半分が
マスターの映画評でした(凄)
ホームページもあるので
調べてみると
マスターの好きな映画のジャンルはSFだそうです
一番好きな映画は
「スターウォーズ ep4 a new hope」
(一番最初に公開されたスターウォーズ)
今年一番の映画は
クリント・イーストウッド監督主演の「グラントリノ」

映画好きの方は是非

5月22日

呑んでばかりもいられない
お仕事

5月23日

今日は
近所の千束稲荷神社の例大祭
大家さんに「龍泉」と書かれた
龍の絵の入ったかっこいい手ぬぐいを頂きました
(本来の地名は竜泉)
御神輿が近づいてきたので
観に行ったら
「龍泉」と書かれた半被を着た担ぎ手たちがいっぱい
この半被もめちゃめちゃかっこいい
手ぬぐいといい、半被といい
デザインした人のセンスが素晴らしい
激しく「粋」です
この半被も欲しいな〜

5月24日

雑貨アーティストのさえりちゃんの個展へ
神楽坂ココット・カフェ
手製バックの展示販売
着々と腕を上げてますね
さすがです

ひさしぶりに神楽坂をお散歩
いつもここでグループ展があるとき
ちょこっとご挨拶している赤木神社がそっくりなくなっているのに唖然
マンション型神社改造中だそうです
いくらなんでもこれはひどい
ちょっとした森になっていてお気に入りの場所だったのですが
木はほとんど伐採されていました

5月25日

手慣れた線に依存しないように
いつも
自然の新しい線を発見するために
常にデッサンというものをしておかないと
いけないのかも

なんとなく反省してみました

5月26日

ほうれん草が旬です
八百屋さんで
生き生きとしたほうれん草を眺めていると
なんだか気分も高揚してきます
もちろん
食べてもおいしい
僕はごま和えが好きです

5月27日

お台場の科学未来館へ

友人が働いているというので
その働きぶりを観に行きました(笑)
ドームシアターの受付をしている
友人は未来的なコスチュームに身を包み
なかなかかわいかったです
(ほめると激しく照れるのが良い(笑)

インターネットの物理モデルにはびっくり
パケットがボールになっていて
情報伝達のしくみが目でわかります
モデルのデザインが
ジェットコースターのような螺旋を描いていてとても美しく
これは、ある意味アートですね
スーパーカミオカンデの
光電子増幅管を間近で観たり
チェレンコフ光がどんな感じなのかわかったり
深海6500のコクピットの中に入ったり
植物がプラスチックを作ることを初めて知ったりして
いい歳して
ちょっと興奮してしまいました

ドームシアターは
3Dめがねをかけて立体映像体験
忌野清志郎さんがナレーションの
恐竜もの
レイ・ハラカミがBGMを担当している
137億年前の宇宙の創生期を扱ったもの
など
一流の音楽家を使い
直感的に理解出来るように
凝ったCGを駆使した映像で
科学の「今」を知ることができます
今の子どもたちは、幸せだなと思うのですが
みんなあんまり興味がなさそうでした
科学も一つの物語
極端なことを言えば、ひとつの宗教ですから
信じる必要はないのですが
この結論にたどり着くまでの
人の今の精神性を知るには
とてもいい機会だと思います
結局
この世界は、人の心のありかたでできているんです

5月28日

http://www.youtube.com/watch?v=MIi4DACWPtA

インドのベーシスト
jayen varma
インドの伝統楽器タブラのようにベースを操るひげのおじさん
70年代のシャクティや
超絶技巧ベーシスト、ジョナス・ヘルボーグっぽいと言ってしまうと
身も蓋もないけれど
なかなかかっこいいじゃないですか
インドは人口の半分がB型と言われています
(たぶん統計をとってないから、なんとなくでしょうが)
ゼロを発見した国です
それゆえ
優秀なプログラマを数多く排出している国ですが
これからは音楽も注目ですぜ

5月29日

漫才師というのは
クラスで一番面白くてふざけた人がなると思うのですが
落語家というのは
そうじゃないような気がします
逆に
内気でまじめな勉強家だったりしそうです
二つ目あたりの落語家は
まじめさが抜けきれず
今ひとつはじけられない人が多いみたい
最近の落語界は年功序列で
それなりにキャリアを重ねれば真打ちになれるらしく
真打ちですら
まじめさが抜けにくくなっているような気がします

だめですよ、命がけで努力なんてしちゃ
21世紀は
命がけでふざけないと

5月30日

誘われて落語会
三鷹へ
柳家喬太郎の勉強会
勉強会というのは
まだちゃんと形になっていないというか
未完成なんだけれど
新たな境地に挑戦してみる
という趣旨なんでしょう
(本人は、ある意味「逃げ」られるので
「勉強会」というタイトルを付けたといって笑いをとっていましたが)
噺家は座布団という領域から決して出ないというタブーを
軽々と犯し
壇上を縦横無尽に動き回っておりました
ともすると空回りになる
大きな立ち回りを
バランス良く演じる感性はさすがです
というか
この人はそうとういかれてます
いい意味で

夜は
大学の先輩(JURAという80年代から活動しているSF創作同人の代表で
SF研の先輩で最近フードアナリストという活動もしているバツイチな人)
と、浅草のいつもの屋台で呑みました
共通の話題は
ロックと映画と離婚
ロックと映画は趣味が違うせいか
(デヴィッド・リンチとか観とけよ〜)
若干かみ合わないのですが
やはりというか、離婚の話が一番盛り上がりました
(彼もいいネタ持っているんですよ
とてもここには書けませんが・・)
あはは
ちょっと呑みすぎました

5月31日

うー、仕事をしなくてはいけないのですが
昨日呑みすぎで
今日は
若干使いものになりません