かものはし日記 2008年2月号


2月1日

another green world 2008

本日より恵比寿のギャラリーmalleにてグループ展がはじまりました
この絵は後藤との7,8年ぶりの合作です
是非観に来てくださいね

2月2日

初日、2日目とたくさんの方が来て下さって
うれしい限りです
いろいろな方とゆっくりお話をしたいのですが
なかなか気が回らず申し訳ないです

2月3日

東京は大雪です
去年のmalleでの夏の個展の時も日曜日に台風が来ました
きっと僕のせいでしょう
すいません(笑)

2月4日

搬入と初日のお休みをはさんでほぼ4連続の宴
今日は休肝日です・・
ウコンを飲んで気分爽快です
ウコンの力って、偉大(笑)

2月5日

愛車BD-1にサイクルコンピュータを搭載したのが
うれしくて
恵比寿のギャラリーまで自転車で行きました
サイクルコンピュータの表示によると
往復31キロ
恵比寿は結構遠いです

昔昔SF宝石やSF奇想天外で絵をかかれていた
彫刻家で画家でピアニストの若山和央さんがギャラリーにいらしてくださいました
メビウスやギーガー、はては野口整体のお話まで
この方とはとても接点が多いのです
で、当然のように
若山さん、プログレ好きでしょ?
て、聞くと
いや、ブラジル音楽
という答えが返ってくるのが解せないんだな(笑)

女性像にからむ縄文的なオブジェをあしらった彫刻作品が素敵です
本人は背が高くて優しい笑顔のさわやかおじさん、とてもかっこいい方
いろいろあったでしょうね〜、今度聞いてみよ(笑)

2月6日

グループ展のメンバーのさかうえさんから立派なしいたけをいただきました
なんと彼のご実家はシイタケを栽培している農家なのです
(午前中シイタケ栽培の仕事をして、午後はアーティスト活動をしているそうです、かっこいいな〜)
スーパーでは見たことないようなぷりぷりの大きなシイタケ
毎日いろいろな方法で料理しております

チーズをのせてオーブンで焼くとおいしそう

2月7日

言葉の暴走

言葉は
生命力というなんだかわからない渦の中にいる精神を
観念という枠の中でコントロールするのには便利なのですが
その枠は牢獄の鉄格子になりやすく
生命力を閉じ込め
自由をうばいます
自由を奪われた生命力は
言葉の枠にとらわれることで葛藤が生じ、少しずつ憎悪に変化して暴走します
憎悪は自分に向かえば
病気になってしまうし
他人に向かえば
最悪の場合犯罪にまで発展してしまう
言葉という人間が生み出したテクノロジーを
人はちゃんと使えているのか
四六時中頭の中で言葉を使う必要があるのか
必要な時だけ言葉を使う術を新たに見つけ出す必要があるような気がします
今一度
ちゃんと言葉について考えてみたい

高尚で美しい言葉は世の中に沢山あるのですが
それはそれなりに素敵なのですが
言葉って
たわいもないくだらないことを言って
みんなで笑っている時が
いちばん輝いているような気もします

2月8日

結局
何も考えていない時
思考がとまった時はじめて
人は本来の生命の流れに戻れるのだと思います
そういう時は
判断に間違いはないし
なにが起きても怖くないのです

2月9日

今日は
グループ展会期中2度目の雪です
今日は雪見酒ですね
けっこうお酒が進みました

2月10日

グループ展最終日
とても楽しいグループ展でした
とてもチャーミングな紅一点中川悠京さん
関西的つっこみが見事な中村豪志さん
おかあさんのような気遣いがすばらしいさかうえだいすけさん
あんなにかわいい絵を描くのにうんこ座りをしてタバコを吸う実は不良の(笑)北田稔さん
そして相棒の後藤啓介
皆さん個性が強いのに品のある素敵な方たちでした
メンバーの皆様
そして
会場にいらしてくださった皆様ありがとうございました
とてもしあわせな10日間でした
最後は、
豆本制作でお世話になった谷中あずき堂のSさんを交えての宴
(豆本セット完売しました、ありがとうございました。)
終わっちゃうと寂しいね

2月11日

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「寂しがり屋のジョニー」

>ジョニーはさ、どうして寂しがり屋っていう枕詞がつくの?
呼びにくいわ

寂しいからさ

>どうして寂しいの

グループ展が終わってしまったからね

>どうしてグループ展は終わってしまったの?
ずっとやればいいじゃないの

そういうわけにはいかないのさ
物事には必ず終わりが来るんだ

>じゃあ、またグループ展をやればいいじゃないの
今度はあたしがプロデュースしてあげる

あんた誰?

2月12日

SFマガジンの
今は亡きティプトリーねーさんの短編小説の挿絵を描いています
20年以上前の作品ですが
テーマは環境問題
この問題は今でも着々と未来に持ち越されています
宇宙人の襲来、天変地異、隕石落下など
SFはいろいろな方法で人類を滅亡させてきましたが
「貨幣経済」という
いちばん身近な事柄が人類を滅ぼそうとしているなんて
想像できなかったな〜
滅亡を
宇宙人の襲来など
自分たちのせいではなく別の何かのせいにしたいという
願望が根底にあったのかもね

2月13日

グループ展の参加者のみなさんに
またこのメンバーでやりたいですね、と言われ
幸せというか
安心したというか
そのおかげで寝込みました
ようやく安心して風邪がひけたようです(笑)

2月14日

風邪は
ぐっすり眠って
熱も下がり
咳は残るものの意外と早く治りつつあるようです

最近のひそかな楽しみといえばアニメ墓場鬼太郎
おどろおどろしい昭和初期の世界観が素敵
OPは電気グルーヴの「もののけダンス」
明るい曲調とおどろおどろしい絵のミスマッチ感もいいです

2月15日

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東京沈黙放送局

上野の森上空2000メートル
東京の沈黙はここから発信しております

2月16日

友人のグループ展を観に茅場町へ
築80年のビルの一室を改装して真っ白な正方形の部屋にした
キューブリックの映画に出てきそうなギャラリー
窓もないので
ただ真っ白
自分が飛蚊症だったことをいやでも思い出させる
圧迫感というか緊張感というか
10分といられない空間です(笑)
グラフィック、現代美術向きでしょう
逆に
築80年のビルは階段が木だったりして
とても温かみのある素敵な建物
一部屋借りて仕事場にしたいくらいです
(家賃は高そうですね)

2月17日

東京マラソン
東京オリンピックは大反対ですが
東京マラソンはいい企画です
完走率97パーセントはすごい
最近のマラソンブームは
健康のため?
それとも
身体の復権?

2月18日

抽象画だけの個展をやりたいな〜
って、思っています

2月19日

友人に誘われて
上野科学博物館へ
「ナスカ」展
世界の七不思議といわれるナスカの地上絵
やはりUFOの滑走路でしょうね
そう確信しました!
空飛ぶ円盤に滑走路が必要か否かは別として(笑)

2月20日

友人が貸してくれたDVDを朝から3本立て続けに観る
彼が選んでくれる映画はどれも興味深いのですが
中でも特にすばらしかったのは
ポール・ハギス監督、脚本の「クラッシュ」
人と人のまるでぶつかり合っているような係わり合いを通して
人種差別、偏見など
アメリカが抱えた根源的な問題を扱った秀作
差別主義者の白人が黒人を助けたり
差別主義者ではないはずの白人がある偏見で黒人を撃ち殺してしまったり
届かぬ想い
すれ違う想い
人と人は
かかわればかかわるだけの憎悪が生まれ
すべての人々が憎悪の発信者であるという現実の中で
それでも人は人とかかわっていく
やっぱり
憎悪がいつか何かに変わるかもしれないと
信じているからでしょうか

痛いけれどいい映画でした。

2月21日

長電話〜

2月22日

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motion picture / michael white with bill frisell

ビルのギターを聞いていると
ヤキ・インディアンのシャーマン、ドンファンが言っていた
「心ある道」という言葉を思い出します。
目的という強迫観念に囚われない生き方
野心や他人の考え方に左右されない生き方
知者が歩む道
明晰さと感性の豊饒
それは僕らを幸せにしてくれます
音楽はずいぶん前から
近代の終わりを唱え
近代以降の生き方を示唆していたような気がします。

2月23日

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let's go everyone / medeski martin & wood

硬派なオルガンジャズトリオMMWの
子供たちとのコラボレーションアルバム
かわいいけれど躍動感あふれるグルーヴはそのまま
さすがMMW
ジャケットもかわいくてくやしい〜
これは僕に描かせてください(笑)

2月24日

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Yuxo/hans reichel

アヴァンギャルド、即興系ギタリスト、ハンス・ライヒェルの自作楽器でのオペレッタ
Daxophoneという名の自作楽器の音は
まるで
動物の鳴き声のような
森の中にいるような
楽曲も聞きやすくて楽しい
かわいいアヴァンギャルド

作品というものは
どんなに前衛的でも
どんなにハードコアでも
どこかにかわいさがないとだめなんだよね

2月25日

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2月26日

ロス疑惑 パート2「ロサンゼルス市警の逆襲」

最近、映画やアニメは
リメイク花盛りですが
まさか事件までリメイク?

2月27日

わたしと仕事、どっちが大事なの?
と、彼女に聞かれたら
そんな質問をさせて、ごめんね
と答えるのがいいそうです。
(テレビでやっていました。)

なるほど
なかなかずるい言い回しですね(笑)

むかしむかし彼女に
わたしとアナクロ(昔飼っていた雌猫)、どっちが大事なの?
と聞かれ
アナクロ!
と即答したことがあります。
当然ですね(笑)

2月28日

「信じる」という行為は現実を固定すること
この世界はみんなが信じているもので成り立っている合意的現実世界

何かを信じることは
何かを固定すること
それに囚われること

野心や目的を神とあがめる近代自我は
近代が生み出した合意的現実にすぎない

世界は観察者の心のありようで
どんな姿にも変わる鏡のようなもの
そして
わたくしという存在はひとつではなく
たくさんの何かの集合体

そういう世界の中で
「何も信じない」というニュートラルな心のありようが
合意的現実によって閉塞してしまった世界を
自然に変化させることが出来るような気がします。

何も信じないということは
寂しいことだけどね

2月29日

たまねぎとにんにくをフードプロセッサーにかけて
こなごなにした後
オリーブ油でゆっくりいため
トマト缶を加えて弱火で煮詰めてトマトソースを作る。
今日の昼食は
それをベースに
ベーコンとなすのトマトパスタ
うーん、美味です
洋食はやはりたまねぎがポイントですね

パスタは自宅で一人で食べる時は
はしを使って
蕎麦のように音を立てて食べるのがおいしい
どこぞの精神科医のように(笑)
(あんなに女性の気持ちがわからない精神科医って・・)