かものはし日記6月号


6月2日

もう6月ですね
そろそろ展覧会のお知らせなどをせねばと思っております
会期は
8月7日から13日までの1週間です
場所は銀座の月光荘
ちっちゃいところです(6畳一間くらいしかない)

タイトルイラストを変えました
展覧会用に描いたのですが
どうもうまくいかず
紙がぼこぼこになってしまって
こりゃ展示できないなと思い
スキャンしてフォトショップでごまかし
タイトルページに張り付けました。
ウオーターベースです
ベースの中を泳いでいる
クジラ型の音源を棒でこすると
クジラの鳴き声のような音が出ます
展覧会までには
もっとましな絵を描きますのでご勘弁を・・(とほほ)
絵がうまくいかないときは
食器洗いに限ります
水をさわっていると
いくらか落ち着きます

6月4日

後藤の友人が
腰と腎臓を痛め
その方が言うには
びわの葉を患部に張り付けて、その上に暖めたこんにゃくを置いて
葉っぱのエキスを体内に浸透させるという方法がとてもよく効く
(お試しあれ)
というので
びわの葉を探しにチャリで出かける

びわの木というのはなかなかなくて
あっても民家の中なので無断で採るわけにもいかず(実は少し採った(すまん))
どうしようかなと思っていたら
目の前でびわの葉を切り落としている植木屋さんを見かけて
狂喜乱舞
どうせ捨てるのだからみんな持っていっていいよと言われ
お礼を言って、たくさんもらって帰ってくる
すごいね
シンクロニシティだね

6月6日

カラスと一緒に朝食
朝方の洗足池公園はカラスがいっぱい
この時間帯(8時前後)はカラスが多い
(鳩は10時過ぎ)
ごはんをちょうだいと鳴きながら近寄ってくる
間近で見るカラスはほんとに美しい

6月7日

パスポートを取りに有楽町へ

6月8日

突然ですが
明日から来週の水曜日まで
バリ島に行って来ます

というわけで
俳句プラスドローイングは
月火水とお休みです

6月14日

バリ島より無事帰還しました
出不精の加藤にとっては初めての海外旅行です
観光客という立場というのは
なかなか微妙な葛藤があります
観光客相手の仕事をしている人たちは
観光地化という変化に対して進歩的ですから
みんな優しく対応してくれますが
それとは関係のない伝統的な生活を守っている村の人たちにとっては
僕らは基本的に不愉快な存在なのです
(すれ違いざまに唾を吐かれたり・・)
僕らが観に来ているのに
実は彼らに
僕らの一挙手一投足をじっと見られているような気がしました
とても視線が痛かった
そして彼らの優しさも辛かった
でもその中に
彼らの誇りを感じられました
毎日朝昼晩と神様にお祈りを捧げる人たち
とても彼らの中には入り込めないし
入り込んではいけない。
観光客相手とはいえ
ガムランの演奏も
バロンダンスも
ケチャダンスも
それはそれは素敵でした
(ガムランのCDをたくさん買いました。1枚700円くらい)
ナシゴレン(焼きめし)もおいしかった
インドネシア語で話かけると
ちゃんと笑顔で答えてくれたし
(いっぱい覚えた)
でも
やはり
僕にとって
観光客という立場は辛かったです

6月15日

暑いなー
東京はバリより暑いです

おなかを壊しやすい僕は
旅行中
それがいちばん心配だったのです
(だって、日本みたいにトイレがないでしょ?)
そのことにすべての精神を集中していた結果(あほ)
一度もおなかを壊しませんでしたが
今日
その緊張が解けて
おなかを壊してしまいました(笑)

そういえば
いつのまにか
北朝鮮と韓国が仲良しに・・
(これは占星術的に言うとグレートコンジャンクション?)
いつのまにか
横浜が最下位に・・

さあ
そろそろ
展覧会用の絵を描かねば

タイトルイラストを変えました
バリ島のウブドの闇があまりにも真っ暗だったので
感動して描きました
あんな闇は東京では経験できないので・・
何かが潜んでいそうな
邪悪な者ではなく神様が潜んでいそうな
濃密な闇です
バリ島では
ちょっと不眠症気味の僕が
不思議とぐっすり眠れました
闇が怖くないのです
優しい闇

6月16日

チャナンというバリのお供え物を
朝昼晩と
きちんとお祈りをしながら供える女性たちを見ていると
文化というのは
どのような方法で自然に対する感謝を表現するのか
ということなのだなあ、と思いました
宗教なんて仰々しいものではなくてね
何をするにも
観光客にエステをするときでさえも
ちゃんとお祈りをささげてから始めるのです
祈る
大切だよね

腰が痛いので
気功系接骨医へ
先生に腰がずいぶん疲労しているねと言われ
その疲れでおなかも弱っているでしょ
と、ズバリ。
体調がよくなったので
上野公園で弟と会い
一緒に
しなびたレストランでビールとカレーライスを食べて帰る

6月17日

八百屋でトウモロコシを買おうとしたら
八百屋のおばちゃんが
父ちゃん、このミライはいくら?というので
トウモロコシって、ミライって言うんですか?
と聞いてみたら
ミライというのは「未来」で
トウモロコシの新しい品種だそうな
未来のようにおいしいと
おばちゃんは申しておりました
いつも土に携わっている方々が
未来はおいしいというのならば
きっと未来は明るいのでしょう
トウモロコシはインディアンの主食でもあるしね

そういえば
旅先で日本人は日本人を見かけても
ほとんど話をしないようです
海外に来てまで日本人と話をしたくないというのが
日本人ツーリストの心理だそうですが
僕などは
ちょっと話をしたいなあと思っているのですが
バリアを張っていて
なかなか話しかけられません
多分
海外に来てまで同じ国の人間と話をしたくないと思っている人種は
日本人だけでしょう
そんなに日本人が嫌い?

6月18日

10日ぶりに
俳句プラスドローイングの原稿を描く
うーん
ひさしぶり
意味もなくバリっぽい絵ですみません
影響されやすいねー

隣の家から
悲鳴が聞こえる
テレビをプロ野球に切り替えると
松井がついに阪神の遠山投手からホームランを打ったみたい
隣の家はアンチ巨人だからね

バリ島には
アル中がいないそうです
みんなダンスを踊ってトランス状態に入ることができるので
お酒を飲む必要がないからなのでしょうか
ほとんどの人々は
昼間は農作業をやっていて
夕方からダンスやガムランや絵などの芸能活動をする
レストランなどで
僕らがバリダンスのまねごとをしていると
必ずウエイトレスのおねーさんが近づいてきて
ちょこっとダンスの型を教えてくれる
すべての人たちが
芸術活動をすることによって
自己を見つめ
自己実現したいという欲望を満たすことができる
そして
お互いの関係性を確かめ合う
昼間に喧嘩をしても
夜一緒にケチャックダンスを踊って
体が触れ合えば
仲良くできるんだよね
自然への感謝(信仰)
個人の自己実現(自分を表現したいという欲望)
そして
連帯感
この三つがうまくバランスがとれている
そんな社会なのでしょう、バリ島は。
僕らの社会の閉塞状況を突破するためのヒントが
バリ島にはあるような気がするし
バリ島にたくさんの日本人が訪れるのは
無意識にそんなことを思っているのかもね

6月19日

ガムランなどのバリ島の音楽は
ポリリズムと呼ばれ
いろいろなリズムが複雑に絡み合うことで
ダイナミズムを生み出していく
複雑なリズムだからこそ
楽譜があって
リズム理論を一生懸命練習するのかと思いきや
練習は
先生の奏でる音を耳で聞いて覚えていくのだ
一音一音を
論理的に覚えていくのではなく
音を固まりとして
イメージとしてとらえていくらしい
だからガムランに関する音楽論理というものは存在しない
右脳的な音楽
右脳優位の世界
そういえば
バリの運転手はめちゃめちゃ飛ばす
信号もない
バイクも飛ばす
2人乗りなんて甘い、3人乗り!
でも
不思議と事故らないし
乗っていてけっこう安心なのだ
これも
右脳的に
車の流れを把握して運転しているのではないかと
勝手に思いこんでいるのさ(笑)

腰痛が
ようやく治まって
体に感謝をする
思えば
自分の体はいちばん身近な自然なのだ
まずはこれに感謝をせねば

妻が言うには
昔の男が結婚すると
女はほっとするそうな。
なぜ?と聞き返すと
別れても、いつまでもあたしのことを好きなんじゃないかという恐怖感が
女性には常にあるそうだ
自意識過剰だな、女は・・
と笑えないくらい男は女々しい(笑)

6月20日

とりあえずトルシエ続投
トルシエ擁護派の僕としてはとてもうれしい
だいたいいきなり日本のサッカーが強くなるわけないんだから
ゆっくりやりゃあいいじゃんか
ついこの間プロ化したばかりなんだから
2002年に間に合うわけないんだ
ブラジルと互角にわたりあおうなんて
22世紀の話

選挙選挙と盛り上がっているが
僕は朝からずーっと家にいて
机の前に座っているのだけれど
全く演説が聞こえてこない
この地区は無視されているのだろうか
仕方がないので
夕御飯のおかずを買いに行くついでに立候補者の看板を見に行ったら
漫画家の高信太郎氏が立候補していてびっくり
昔SF大会で目撃したことがあったな

6月22日

今日は眠くて眠くて
昼寝を何度もする

6月23日

腰痛が治まらず
今日は寝て過ごす。

だらだらしながら
読みかけの池澤夏樹の新作
「花を運ぶ妹」を読み終える
実はこの小説
先に読んだ妻がバリ島を舞台とした話なので
読んでみては?と勧められ
バリに行く飛行機の中で読み始めたのだけれど
主人公のイラストレータが
バリ島で麻薬に手を出して
ついでに麻薬密輸の容疑までかけられ
死刑になるかもしれない
という話。
途中まで読んで
イヤーな気分になって放り投げてそのままにしておいたのを
10日ぶりに読み始めたという次第

バリから帰った後で読めば
バリ島の雰囲気を追体験できるし
なかなか素敵な話でありました
「マシアス・ギリの失脚」以来、小説としては数年ぶりの新作。
スタイリッシュでスピリチュアルな趣は前作より
深みがあるし
シリアスな世界観を保ちつつ
たまにギャグみたいな話を挿入してバランスを取るのもさすが
でも
妻が言うには
池澤夏樹の作品の根底には
女性に対する差別的な感情が流れている、と言う
男は
女性をいい意味でも悪い意味でも神聖化する
それは僕もそう
そういった意味では
差別なのかもしれない。
男は生身の女性をそのまま受け入れていないのかもしれない
確かにこの作品に登場してくる女性は
現実感がなく
なにか霊体のようなイメージだし(男に都合のいい、といってもいい)
それを女性は差別と感じるのかもしれない
(「ルパン3世 カリオストロの城」のクラリスが女性差別の究極的存在
日本の男をだめにしたのは
みんなこの映画が悪い、と僕は密かに思っている(笑))
でも、まあ大目に見てください
僕らは女性から生まれ女性に育てられたのです
男の子はみんなマザコンです
母という幻想を刷り込まれて生きてきたのです
それをふまえた上で
勉強中ということです(笑)

そうそう
今日の俳句プラスドローイングは
まぐまぐのサーバーの不調のせいか
うまく配信できませんでした
明日には配信できると思います
よろしくお願いします

6月24日

「カワウソ友の会」の会報作りの手伝いに
国連大学へ
国連大学の地球環境フロアは環境保護関係の同人誌?を出すのならば
印刷機を無料で貸しだしてくれるのだそうです
インターネットもただでできます
フロアには環境保護関係の本や資料がいっぱい
でも
僕は基本的に環境保護団体が嫌いです
団体を運営する人たちの根底に
何か憎悪を感じるから
環境保護という偉そうな言葉も嫌いです
「かわうそ友の会」は
代表の方がただのかわうそおたくだから入りました(笑)
(それと貴重なニホンカワウソのビデオも観られるしね(笑)
動物を愛している
ただそれだけ
僕も2ページほど原稿を描きました
江ノ島水族館のカワウソレポート(笑)
コツメカワウソの飼育係の女の子の似顔絵も描いたりして
「カワウソ友の会」では
かわうそフェスティバルと称して
展覧会を開催します
場所は僕らの展覧会と同じところ(月光荘画室2)
期間は8月2日から6日まで
ちょうど僕らの一週前です
かわうそ好きの方は
動物好きの方は
是非
かわうそはね、ほんとにかわいいのさ!

6月25日

小雨の朝
選挙へ
選挙後NHKの出口調査に捕まってしまい
アンケートに答える
誰に入れたかとか
支持政党はどこかとか・・
一番最後の
「10年後日本は今よりよくなっているか」という質問に
イエスと答える
あらゆる状況がノーだけれど
希望を持たなきゃ生きていけないのだ

妻の友人の絵描きさんの画展に行く
細密画を描く絵描きさんの3人展
丸ペンをさらに細く削ったペンに
水分を蒸発させて粘性を上げたインクで描いていく
インクで描いていくというか
インクを置いていくらしい
人それぞれいろいろな描き方があります
絵は結果論であり
描き方を論じてもしょうがないのだけれど
描いていくプロセスを聞くのはとても楽しい
(絵描きさんはたいてい自分の絵を描くプロセスというのを教えてくれます
とゆうか
プロセスを話したがる人は多い
皆さんも聞いてみてください
僕の絵も聞きたいと思う人がいるのなら
8月の展覧会で
なんなりと聞いてください
ただ
後藤との合作を論理的に説明するのはむずかしいんだけどね(笑))

6月26日

生まれて初めて自分が投票した人が
当選しました
うーむめずらしい

梅雨時は洗濯物がたまるね
洗濯物を部屋の中にいっぱい干して
エアコンをかける

シックスセンスをビデオで観ました
全く期待してなかったのだけれど
いい映画でした
愛あるホラー映画

6月27日

朝から
ヘリコプターと飛行機の音
多分三宅島へと向かう自衛隊
目指せ国際救助隊(サンダーバード!)

めちゃめちゃ広い美術館で展覧会を開くことになっているのだが
何も描いてないし
さらに会場でライブをやらなければいけないのに
練習もしてないという夢を見る
うーむ
展覧会を前に少し焦ってきたな
(準備が遅れ気味・・)

6月28日

適度な湿度と温度
適度な風力が生み出す撫でるように官能的な渦
昨日の夜から今日の朝方にかけての風はとても気持ちがよかった
こーゆー風は梅雨ならではですね

暴風雨の中
半ズボンとサンダルで買い物に出かける
暖かい風とやや冷たい雨が気持ちがいい
半ズボンなので
濡れやすい足元は素足なので濡れても平気という気分が楽しい
こーゆーのも梅雨ならでは

x-ファイルの新作を観ていたら
ミレニアムのランス・ヘンリクセンが出演してました
ミレニアムはあまりに陰惨なので観てはいないのですが
久しぶりに観る彼は
少し太っていて
以前のようなものすごく神経質な感じが少しなくなっていたので
ちょっと残念
でも大好きな俳優のひとりであります
そうそう
モルダーとスカリーがついにチューしてました(笑)

6月29日

展覧会の会場の下見に銀座へ
あんまり壁紙がきれいじゃないけれど
なかなか落ち着く感じかな
めちゃめちゃ狭いというわけでもないか
というか
けっこう広かったので
もうちょっと絵を描かねばと
焦る


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