かものはし日記9月号


9月1日

後藤の展覧会イラストを
表紙に1点追加しました
観てね
きのうは後藤のうちに
ビールと寿司を持って展覧会の手伝いの打ち合わせに行きました
久々の大田区東雪谷(前の前の前の住所)はいいね
ここの空気がいちばん静かで落ち着く
後藤の新作群は
なかなかすっきりといい感じに仕上がってきたので
是非軽井沢へ足をお運びください
新作の女の子の絵は
後藤の弟さんの長男をモデルにしたそうです
これがまたとても美少年
写真を見せてもらったけど、すでに3歳で色っぽい(笑)
将来はジャニーズだね

9月2日

めちゃめちゃ面白くはないけれど
ちょっと気に入っている海外ドラマ
CSI 科学捜査班
最近のアメリカのドラマは登場人物たちをことさら恋愛に持っていくのではなく
信頼できる仲間、もしくは友人として描いているのがいい
いまどきの男女の距離感は
恋愛よりも
信頼と尊敬を軸にしたクールで熱い友情なのかな
それは
恋愛に持ち込む気力がないのか
恋愛にもちこまないように気力で自制しているのか
どっちでしょう?(笑)
しかしオープニングの曲は最悪
ひどく下品

9月3日

夕方突然の雷雨
そうとう東京の空にストレス(電気)が溜まっていたのか
大放電でしたね
ちくしょー、って感じ(笑)
天気って、地上に住む人のメンタリティがある程度
反映しているような気がします

ニュース番組で浅草のサンバカーニバルの様子をやっていました
こっちのほうがぜんぜん見やすいな(笑)
ライブは人が多すぎてほとんど見えなかったのだ
サンバカーニバルのコンテストの優勝に命をかけるおねーさん39歳
それを全面的に応援するお姑さん
今年も優勝できなかったのだけれど
来年をめざす
命を懸けて遊ぶから楽しい

9月4日

後藤来訪
後藤の展覧会の打ち合わせ
そのあとは当然蕎麦屋へ
角萬の無骨な蕎麦が気に入ってくれたみたいでとてもうれしい
後藤は何かこう
人間力が増したみたいで、ちょっとすごい
タイトルページのイラストもいいでしょ
生命力を感じるよね
軽井沢の展覧会には僕も行きます
お会いできる方はお会いしましょう
楽しみです

9月5日

隣のうちの屋根で
職人のおやじがふたりけんかしながら仕事をしていた
何言ってんだかよくわからない
下町のネイティブの東京弁?
ただ活舌が悪いだけかも

C3のイベントのイラストが額装されて帰ってきた
額装すると
絵ってよく見えるよね
原稿も編集者さんに額装して渡そうかな
社長さん自ら絵を届けてくださって恐縮です
畳2枚分くらいの僕の絵のタペストリーも作っていただき頂きました
とてもうれしい
けど、飾るところはない

9月6日

ひょっとすると全国的かもしれないけれど
東京では「竿やー竿竹ー」というスピーカーから流れる声をよく聞くのです
東京のどの町に引っ越しても必ず流れてくる
正体は車で物干し竿を販売している竿竹屋さんなのですが
声はすれども
姿を見たことがない。
「20年前のお値段でお譲りしています。2本で1000円」というのが決まり文句
たぶん20年前から(もっと前?)存在していたはずだけど
その頃も20年前のお値段と言っていたはず
だったら40年前のお値段?
都会のなぞ

9月7日

夜のお散歩
涼しくて気持ちがいい
今日も仕事が進まなかったなーとか考えたり
そういえば、ルーマニアでは僕の展覧会がはじまっているはずだよなー
音沙汰ないなー、とか
遠い東ヨーロッパに思いをはせる
路上でたくさんの長ネギを抱きしめて寝ているおじさん
夜の小学校の中庭でけんかをしている若者たち
街灯の下
お財布から小銭を出して道路の白線にそって、一枚一枚硬貨をならべているおばあさん
タバコをすいながら、並べてました(笑)
この町は変な人がいっぱいいてとても楽しい

9月8日

於保佐代子、ファースト写真集を買う
(ちょっと、恥ずかしかった)
ちょっと前サントリーの和茶のCMに出ていた15歳の女の子
この世のものとは思えないような
ちょっと不思議な雰囲気が好み
もちろん仕事の資料さ(笑)

9月9日

お昼ごろ
友人のイラストレーターさんが教えてくださった
神保町の文房堂という画材屋さんに行く
雰囲気のいい画材屋さんでした
神保町まで自転車で30分
変速機の付いていない折りたたみ自転車で行くにはさすがに遠い
ウインザー&ニュートンのガッシュ(不透明水彩絵の具)一式と筆を少々購入
帰りは炎天下の暑さも加わって
ほとんど意識がなくなったみたいで
どうやって帰ったか覚えていない(笑)
自転車屋の横を通ったのは覚えているんだ
ああ、変速機がほしいーって思ったからね

待ち合わせ

空気の悪い東京の空でも
月のやや右下に火星が肉眼で見えます
ほんとうに赤いのね
ちょっと感動
ほんとうに大接近なんだね
ほぼ地球と月と火星が一直線にならんでいるようです

9月10日

毎日暑い
後藤の展覧会に行くための
新幹線の乗車券を買いに行く
台風がちょっと心配だね

9月11日

今日も暑い

9月12日

何かがわかるということは
ただその事物に関する先入観が一つ増えるということ
わかった気にならないようにしないと
世界が狭まってしまう

何気なく観ていた世界柔道
秋山成勲の切れのいい動きにうっとりする
つむじ風のような巴投げ
金髪で精悍な顔と鋼のような身体
まるでスーパーサイヤ人のようじゃないか(笑)

9月13日

覚せい剤中毒の子供たちをなんとかしようと奮闘する
ひとりの夜間高校の先生のドキュメンタリーをテレビで見る
日本のおとなは基本的に子供をほめない
しかってばかりいて楽な教育をしようとしている
子供はほめないと昼間の世界で生きていけないのです
昼間の世界で認められないと
夜の世界で生きていくしかなくなってしまう

9月14日

あたまに天使の翼のあるロボットが出てくるアニメの監督とともに
後藤の展覧会へ
北軽井沢カフェ・フルール
後藤の甥っ子はうわさどおりの超美少年
うーむ、もてもて人生だな
うらやましいな(笑)
僕の人相が悪いせいか、彼にちょっとこわがられてしまったのがさびしい(笑)
妹もとてもかわいくて後藤の弟くん一家は美男美女家族
会場は
涼しくて空気もきれい木々の緑も美しくてとても静か
その雰囲気に後藤の絵も溶け込んでいてなかなか素敵
夜は軽井沢のまずい飲み屋を2軒はしごをする
その間、監督の恋愛遍歴を根掘り葉掘り聞く
人の恋愛遍歴を聞きだすのは僕のライフワークだからね(笑)
どろどろしていればしているほど素敵
そして最終新幹線で帰る
東京に帰ってきて思ったけれど
軽井沢にくらべると東京は地獄だね
おれは地獄に住んでいるんだね(笑)

9月15日

阪神優勝
日本にまだ民族主義があるとすれば
阪神ファンという民族主義でしょうか(笑)

9月16日

ようやく涼しくなってきました
日当たりがよすぎてクーラーが効かず温室のような部屋の中で
トマトのような顔をして仕事をしなくて済むようになりました
やれやれ
あやうく出荷されるとこだった(笑)

9月17日

北軽井沢に行って以来
山奥に住みたい気分でいっぱいになる

9月18日

マッコウクジラとダイオウイカの格闘は有名ですが
ダイオウイカが勝つことはめったにありません

後藤と角萬で再び蕎麦を食う
やつも角萬の蕎麦にはまったようだな(笑)

セカンドマシン(改造DELL)のOSをいままで使っていたREDHAT LINUX9.0から
LINDOWS4.0に入替える
マックOS、ウインドウズに続いて第3のコンシューマ向けOSとして
話題らしいので、インストールしてみました(とても簡単)
LINUXだけど別にむずかしいことは何もなくて使い勝手はほとんどウインドウズ
さらにウインドウズよりは軽いのでひと昔前の枯れたマシンでも十分に動く
ウイルスにも強いらしい
お値段も安いし
ATOK標準装備の日本語版
アプリケーションソフトはLINDOWSのサイトに行って
年間9800円をはらえば
2000以上のソフトをワンクリックでダウンロードできるというシステム
ウインドウズにとってはなかなか手ごわいOSが出てきました
LINAXのOSって
古いマシンでも十分動くので
お金がなくて中古でシステムを構築したい企業家とか
けっこうこの不景気に浸透しそうだよね
GUIのデザインは
ださいウインドウズとかっこいいマックの中間くらいかな(笑)
あと、すごいのは
CD−ROMだけで起動するLINDOWSがこの秋発売されるそうです
これはハードディスクを必要とせず
データの保存はインターネット上の自分専用のストレージに入れておく
ようするに
このCD−ROMだけ持ち歩けば
世界のどこかのネットカフェのパソコンにCD−ROMを入れて
OSを起動させ
自分のストレージから必要なソフトとデータをダウンロードして
いつでも自分の環境で作業ができるというわけ
これはおしゃれだ
いろんなことを考える人がいるよね

9月19日

LINDOWS
使い勝手は悪くないしデザインもいいんだけど起動がちょっと遅いかも
さらに
ダウンロードしたはずのメールが消えてしまうのはなぜ?
あと
ほかのLINUXなら無料で手に入るソフトが
有料というのも問題かな
ネット上での評判も悪そうだし
以前はウインドウズのアプリも走るというふれこみだったらしい
他にもいろいろありそうだけど
最初はこんなものなのかな
僕は気に入っているんだけどね
バッタもんみたいな名前もいいし、なんかかわいい

9月20日

蜷川幸雄監督「青の炎」をビデオで観る
二宮君の演技が素敵
あややもよかった
鈴木杏ちゃんもかわいい
山本寛斎のいやなおやじの演技がものすごい
殺されっぷりもすごい
役者と監督が丁寧に作った映画
音楽もいい
低予算でもいいものは作れるのですね
映画というものと演じるということに愛と情熱を感じさせられた映画でした
切なくて痛いお話

9月21日

きのうから久々の雨
気温もぐっと下がってきたので、ジャンパーを着こんで散歩
雨の中をとぼとぼ歩くのは好き
雨の音でいろいろな音がかき消されてとても静か

人の体に興味があります
だれにでも触るわけにはいかないけど(笑)
人の体のラインに沿ってなでるのが好きなのさ
個性は身体に宿るもの
身体こそがその人の個性
生まれたままのデフォルトな身体を保ちそして鍛える
基本的に個々の身体は自然の設計図どおりに作動すれば
みんな違ったおもしろい可能性を秘めているはず
イチローはああいう身体だからああいうバッティングなわけだし
身体の形がその人の才能を決める
絵描きだって絵の中の人物の骨格はなぜか描いた本人にそっくりだもの
その人の体のラインは
その人の人生のライン
過去から未来に至るまで
その人の意識が一瞬物質化する
それが身体

9月22日

訂正
ルーマニアの個展は都合により
9月20日オープニングで(もう始まっていますね)
10月4日までになりました
ちなみに
絵本「いちばん猫」の原画が評判いいらしいです
ハンガリーの時もそうでした
海外で仕事をするなら猫を描く
そういうことです(笑)
ルーマニアから画像をおくられてきたらアップします

指輪物語、二つの塔をビデオで観る
長い
長すぎる
黒いおじさんがいっぱい出てくる戦闘シーンは全部早送りだ(笑)
CGのシーンが多すぎてあきちゃう
もうちょっとキャラクターの絡みを増やしてほしいところ
指輪を持つ者の葛藤をもっと感じたいのだ

9月23日

母と墓参り
いい天気でよかった
先祖の霊に感謝する気持ちは大事ですね
命は連綿と受け継がれていくわけだから
彼らが存在しなければ僕はいない
帰りは新宿で昼食
今半で炭焼きステーキ定食
うーむ、ひさびさに豪華だ
食後は母とデパートをうろうろ
いつもめったに会わないので、たまには付き合わないと。
これも親孝行でしょうか

9月24日

話題のLinux OS Lindows4.0を
やむを得ずマシンから削除して
REDHATLinux9.0に入れなおす
期待していたんだけれど
まだ中途半端かな
もう一押し
OSがマイクロソフトの独占というのは
不健全なのでがんばってほしいんだけど

マックユーザーの元妻からWordのファイル(.doc)をウインドウズで開いて欲しいと
夜中に電話がかかってきた
やれやれ
うちのウインドウズマシンはOfficeXpがインストールされていないため
docファイルは開けないので
眠い目をこすりながら
セカンドマシンのLinuxを立ち上げてOfficeXpのファイルも読めるさ!という触れ込みの
Open Officeで開こうとしたのだが
文字が重なってしまって読めず
うーむ、肝心な時に役に立たないぞLinux
なぜだ、なぜちゃんと動かない
元妻の前で俺に恥をかかせやがって(笑)
もしや元妻のファイルだから読めないのかと思い(呪いがかかっているからね(笑))
ほかの添付ファイルも開いてみたけれど同じであった

9月25日

もうじきマイルスの命日(28日)というわけではないのだけれど
お彼岸だしね
供養を込めて
ここ数日はよく聞く
いまは
ライブ・アラウンド・ワールド
ライブ・アットフィルモアイースト
がお気に入り
彼の目は鋭くて怖いんだけど
彼の音楽は優しいと思うんだよね

ipodがほしいなあと思ったのだが
基本的には持ち運びが出来なくてもいいので
(歩きながら音楽は聴かない)
mp3のデコーダーチップを買ってきて
ハードディスクにつなげて
据置型mp3ハードディスクプレーヤーを自作しようかとひそかに思う
でもちょっとスキルが追いつかないかな
敷居が高すぎるか
出来るかどうかしばらく調査検討の日々

9月26日

東の方に勢力を拡大
吉原を通り山谷をぬけ隅田川の近くの橋場というところまで
自転車で行ってみる
こぎれいな図書館があって
ロシアのフリージャズのバンドのCDがあったので
借りてみた
ジャズグループ アルハンゲリスク
ちょうど東西冷戦が終結してから3年後のアルバムなので
なにか勢いがあってすごい
来日もしたらしい

9月27日

柿を食す
まだちょっと早いね

一般人向けLinux
Lindows4.0もRedhat9.0もいまひとつ
次なる一般人向けLinuxOSは
Turbo Linux「SUZUKA」
かっこいいねえ
F1ファンをねらったネーミング?
これは評判がいいようです
10月発売予定
ベータ版(開発途中評価版)をインストールしてみようかな

9月28日

絵の具が乾くのを待っている間
日経リナックスの付録に付いていたTurbo Linux「SUZUKA」ベータ版をインストールしてみる
いままでのLinuxの中で一番おしゃれでいい感じ
さすがF1仕様(笑)
しかし日経リナックス
理解できるページは編集後記ぐらいかも

9月29日

愛しの詩人の女の子のサイトで見つけた
ネスカフェのCM
あんまりすてきだったので紹介します
朝のリレー
(メディアプレーヤーかリアルプレーヤーでみられます)
谷川俊太郎の詩と息子の賢作のピアノとのコラボレーション
すてきなCMです

谷川俊太郎の詩は
説明的なところがいいんだよね
世界を誰にでもわかりやすい言葉で説明している
いわゆる詩人が使いそうな小じゃれた言葉ではなくて
ふつうの言葉で
その説明にうっとりするような広がりがある
美しい数学や物理の公式のように
根っこが理系の僕にとって
彼の詩は違う世界の物理の教科書のように感じるのです
すべての説明は
詩であるべき
すべての科学は詩であるべき
そう思わせてしまうのが谷川俊太郎の詩

9月30日

今日は朝から何度もネスカフェの「朝のリレー」を観てたりして
スクリーンセーバーもあるので
インストールしてみました
音楽付きなのだけれど
朗読が入っていないのが残念
この詩を朗読している女性は誰だろう
あまりにすてきなCMはCMとしての意味をなさないのが
悲しいね
だってこのCM観たってネスカフェは飲みたくないもの(笑)
ちゃんと豆をひいて
ちゃんと入れたコーヒーを飲みたくなる

カサンドラ・ウイルソンの新譜がでるらしい
ちょっと元気のない僕には
いいニュース


back