かものはし日記2003年6月号


6月1日

というわけで、突然ですが
離婚しました
といっても
半年以上前から別居していたので
書類上のことだけですけど
僕がご飯を作ってあげなくなったらすっかりやせてしまった元妻と
仲良く(笑)渋谷の区役所に行って
離婚届を出してきたのですが
届けを受理した区役所の職員の方が無愛想なのがちょっと残念
こういう機会は常に経験しているのだから
受理した後に
何か気の利いたせりふでも言ってほしかったな
でも何か言って逆上する人もいるかもしれないので
黙っているんでしょうね
きっと
お昼にいっしょにうどんを食べて
届けを出した後は
パルコブックセンターとタワーレコードをいっしょに回って
別れました
彼女とは友人という距離感がいちばんいいね
ちなみに
最近日記によく出てきた
友人に成り下がった女性というのは元妻のことでした
友人のみなさま
いろいろご迷惑をおかけしました

きのうは
父親の法事のついでに親戚の人々に離婚のことを発表したのですが
みんなに大笑いされてしまいました(笑)
(笑いが取れたから満足な俺)
叔父は
そうか、お前は再び自由になったのか
と言い
叔母は
また恋が出来るなんて素敵じゃない
と言い
もうひとりの叔母など
独身のあなたのほうが素敵よ

わけのわからないことまで言われました
変な親戚
ま、怒られなくてよかった
親父が生きてりゃ、きっと怒ったね
(よかった、いなくて(笑))

6月2日

昨日タワーレコードで見つけたDVD
step across the border
フリーインプロヴァイザーのギタリスト、フレッド・フリスが
世界中の音楽家と
セッションしながら旅をするというドキュメンタリー風モノクロ映画
10年以上前
20代のころ
今は無き六本木WAVEの地下にあった映画館で
この映画を観て
感動して
ビデオも買って
音楽好きの友人に
そのビデオを貸してあげたら
その友人とは音信不通になってしまい
もう一度観たいのだけどビデオは絶版
ようやくというか奇跡的にDVD化されて
ずいぶん久しぶりに再会しました
たぶん僕の一番好きな映画
バタフライ理論をはじめて知ったのもこの映画
(ちょうちょの小さいはばたきが世界に影響を与えるという、カオス理論のひとつ)
フレッド・フリスが
日本の屋台のラーメン屋で
タルコフスキーの話をするところも好き
ウミネコとヴァイオリンでセッションするシーンはすばらしい
台所にある道具で音楽を作ったり
目覚まし時計の発信音に合わせて歌ったり
音楽を通して
世界と共振する
この映画は僕の「基本」なのです

6月3日

ふと手を休めて窓から外を眺めていると仲良し鳩夫婦(多分)と目が合う
隣のビルのベランダからこちらを見ている
いつも仲良く寄り添っているご夫婦だ
たまにうちのベランダでうんこをしたりするなじみの鳩
まるで
離婚した僕に夫婦の見本を示しているようじゃないか(笑)
そんなものを見せられても反省しないよ(笑)

6月4日

今日から
念願のプチ断食(3日間)をやろうと思っているのだ
はたして、出来るのだろうか
部屋には
先日の法事で親戚のかたがたに頂いたお菓子がいっぱいある(笑)
おいしそうなおせんべもある
クッキーもある
ゴディバの高級チョコレートもある
やれやれ
といっても
完全に断食するわけではなく
ジューサーを使って野菜ジュースを飲むのです
にんじん
ほうれん草
キャベツ
ばなな
レモン
豆乳
色はどす黒い緑色だけれど
なかなか美味

6月5日

断食二日目
ジューサーでジュースを作るのはとても楽しい
今日はジュースの味を変えてみる
りんご
にんじん
トマト
豆乳
レモン汁
こっちのほうがおいしいな
二日目ともなると
おなかが空腹になれたせいか初日ほど辛くない

6月6日

断食最終日
じっとして絵を描いている分には良いけど
出かけたりすると
おなかがすいて、ふらふらしちゃう
でも
お肌の調子はいいかも(笑)
なんかすべすべ
今回の断食は
ダイエットが目的ではなく
日ごろ酷使している胃腸さんたちを休めるのがテーマ
胃腸さんたちはちゃんと休んでくれたかな
大昔は
今のようにこんなに食べ物があふれているわけじゃないから
しょっちゅう空腹で
胃腸を休める機会も多かったのでしょう
野生の生き物としてはそれが自然なわけだし
人間の体は慢性的な満腹には慣れていないはずだから
たまに飢餓感を体験したほうが
生命力の活性化につながるかもね

6月7日

断食の後の朝ごはんはうまかった
断食の後の角萬のそばはうまかった
泡盛もうまい
それほどつらくないので
一月に一回くらいはやろうかな
しかし
世界の多くの人が飢えているのに
断食なんて
傲慢な行為だよね

友人と長電話
彼は腰がやばいらしい
季節の変わり目は腰を痛めやすい
なるべく動かないように
へんにもんだり
腰をひねったりして運動したりすると
余計に悪化する
(経験者)
動かなければ一日で復活するよ、きっと
お大事に

「光合成」

6月8日

入梅前の不思議な朝
適度な湿度
冷たい風
やる気のない太陽
朝は結構寒い
わざと薄着をして軽く風邪をひくにはいい季節

「光合成Kー生理ー」

陰毛が植物というイメージは結構お気に入り
女性の陰毛をなでるのが好きな男性は多いでしょう
落語のネタにもあるし
若旦那が玄関先に座り込んで長めのじゅうたんの毛をなでていたら
思い出したように
そういえば、お前さんのところのべっぴんの女房、元気かい?
と聞くところで
大人の客が笑うのです
子供は何のことだかわからない

6月9日

ほんとにジーコでいいのか?
奴はブラジルの長島だぞ
彼の目は目の前の出来事を見ていない
遠くのなにか美しいものを見ている
そういう目をしている
(はるかなる過去の栄光かそれとも未来の幻影か)
監督はリトヴァルスキーがいいな
彼だって日本サッカーの功労者だ

光合成L twins

6月10日

最近はマリア・カラスの全集を聞いている
歌ものが聞きたい気分なのさ
彼女くらいのレベルだと
歌っている感じがしない
声がすぐれた楽器と言うか
声を演奏している

大気と大地を繋ぐ者

6月11日

光合成Mー秘められた植物的情熱ー

6月12日

早朝、友人より電話
今月のフラウの表紙の佐藤江梨子のセミヌードを見よ
絵描きならば見ろ
というわけで
雨の中、コンビニへ走る
ほとんど人間じゃないようなアンドロイドなパーフェクトボディ
腰を折っても折り目がつかない
腰の辺りの筋肉のうねり(くびれ)がすばらしい
(顔は好みじゃない)
でも
友人とも話をしていたのだけど
スタイルというのは、あんまりよくないほうが色気があるんだよね

光合成Nー情熱の中で発芽を待つー


注文しておいた無停電電源装置(UPS)が届いた
夏の大停電に備えて買ってみたのさ
パソコンで作業中に電源が落ちたら困るもの
ためしにパソコンの電源を入れたまま、コンセントを引っこ抜いてみたけれど
大丈夫!
サージ電圧保護機能もついたすぐれもの
落雷でも安心
と言っても
停電の間、ずーっと使えるわけではなく
バックアップ時間は3分
その間にファイルを保存してシャットダウン
夏の大停電
停電してほしくない気持ちと
停電したら東京はどんな感じになるんだろう
クーラーが全部止まって
あたりが静かになって
ふと海からの風を感じたりして
そういう非日常的な期待感もあるかな

6月13日

今村昌平(「うなぎ」の監督)の
「赤い橋の下のぬるい水」を観る
おなかに水がたまる病気?の女性とリストラされて女房に捨てられた男性との
恋の物語
おなかに水がたまるとエッチがしたくなり
エッチをするたびに水を放出する女性
舞台が富山県なのでスーパーカミオカンデも登場する
鉱山の跡地の空洞に大量の純水をためて
宇宙から飛んでくる中性子を検出する装置
中性子が水の分子と衝突して生じる青白いチェレンコフ光
その鉱山がその昔カドニウムを川に垂れ流して
大変な公害になったこと
エロティックな水から
量子物理的な水
さらに社会問題としての水
そして富山の海
作品全体にあふれる水のイメージが僕の好み
日本で一旗あげて国に帰って大統領になって
他の部族を皆殺しにするのが夢というアフリカの青年も出てくる(笑)
すばらしいバカ映画
今村監督って、なんてエッチでいかれててロマンチックな素敵なじじいなんだろう

ジェットエンジン付飛行帽ー私は成層圏でも窒息しないー

6月14日

しっとりと水気を含んだ風が
どこかの家の夕食のにおいを運んでくる
コンソメスープのにおい

井上陽水のアルバム「カシス」を入手
もちろん、たそがれ清兵衛のエンディング曲「決められたリズム」があったから
この曲だけが好き
シンプルで素敵な詩
井上陽水は
たまに
ものすごくシンプルで
なにも語らない
すばらしい詩を書きますね

6月15日

先月三社祭があったばかりなのに
昨日今日も
どこかの神社のお祭りらしい
この町はお祭りが多い
仕事をしていると
太鼓と笛の音が聞こえてくるなんて
いい町に引っ越したよなあ

人は存在を確信しているものは語らない
存在しないものを語りたがる
たとえば、「愛」とかね
虚無を言葉で埋める
絶望しているから人はたくさんの言葉を使う
広辞苑の分厚さはとてもせつない
いつか言葉たちを空に帰してあげたい
猫はにゃあとなくだけで
世界を実感する
からすはかーとなくだけで
世界がからっぽであることを確信する

6月16日

近所には何屋さんだかよくわからないお店が何軒かあるのだが
その中の一軒は
長屋風の古い雰囲気のある木造建築
いくつかの食材が置いてあるんだけれど
売っているんだか、売っていないんだか
中では
じいさんが
背中を向けてパソコンに向かってばしばしキーを打ち込んでいる
素敵な光景

チャイナドレスのお姉さんが
近所に大量出没して
ティッシュを配っていた
とっつかまって2万円ぽっきりとか言われるのはいやなので(笑)
もらわなかったけど
吉原関係かな

「バッハ、バッハ、そしてバッハ」
バッハと言うのは
音楽の世界では別格中の別格
巨匠という言葉はバッハの前では月並みな表現にすぎないらしい
この言葉は
ピアノの巨匠ルービン・シュタインが
音楽を志す若者への助言として言った名言
芭蕉の
「松島や ああ松島や 松島や」
と同じだね
言葉の臨界点

光合成O-stand alone-

6月17日

弟のグループ展を観に上野の美術館へ
彼のグループ展の時はいつも雨だと思っていたら
毎年6月の梅雨時にやっていることに、今頃気づいた
この時期は
会場費が安いのかな、と
会場で会った叔父と邪推する
昼食は叔父と叔母と弟の4人で近所のレストランへ
上野公園のカラスは
うちの近所のに比べると大きくて強そう
翼の黒さの深みも違う(笑)
嘴が黒光りしてかっこいい
帰りは
アメ横をぶらぶらした後
首都高に沿って徒歩で帰る
高速道路の下の部分に少し張り出したところがあるんだけれど
そこにはずらっと鳩が並んで休んでいるのがかわいい

6月18日

たまにはエッチな小説の挿絵が描きたいな、と
編集さんに言っておいたら
本当に描かせてくれることになりました(笑)
なんでも言ってみるもんだね
新進気鋭の官能小説家の作品だそうで
ちょっと楽しみ
わくわく

USB接続ができるハードディスクケースを入手したので
余っていたハードディスクを入れて
データのバックアップ用に
今年の夏の停電対策は万全かな

6月19日

前にウインドウズ入門機として使っていたDELLのマシンの改造に失敗
うーむ、まだ改造マニアとしての専門知識が足りないかな
ちょっと落ち込む(笑)
子供のころから機械いじりが大好きだったせいか
マックからウインドウズにスイッチして
封印していた趣向に火がついてしまったようでちょっと自分に困惑ぎみ
仕事の合間にいじればいいものの
いじっている合間に仕事をしているような(笑)

6月20日

二日続けて秋葉原へ
自転車でいけてしまうところがいかん(笑)
昨日の失敗の原因を推測し新たな解決策を思いついたのさ
パソコンのパーツというのは相性があって
パーツ同士で相性の悪いものも少なくない
うまく動作しないパーツや相性の悪いパーツをジャンク屋に売っては
そのお金で新しいジャンクパーツを買う
ジャンクでなければいかんのだ
新品を買ったらちゃんと動いてしまうじゃないか
スリルがないのだ
ちょっと周波数を下げてみようかな、とか
ぶつぶつ言いながら自転車を走らせる
ジャズボーカリスト シャーリー・ホーンが歌う
hit the road,jack
も口ずさみながら走る
変速機が付いていないミニチャリなので
たまにおばさんにぬかされたりして

風が強い日
風で網戸が勝手に開く
ポルダーガイストかと思ってちょっとびびる(笑)

今日も改造に失敗
なんでだろ〜
まだめげないよ

ベッカムに会った小学生の感想
「サッカーがうまそうでした」
(笑)
しかしなんで彼はこんなにも日本人に好かれるんだろうね
僕も大好きだけど
ばかっぽい声以外は

6月21日

朝4時に起きて(普段は5時起床、早起きじじい)、フランス戦
中田のボレーが決まれば同点
ああ、くやしいよお

キャベツを一個買うと
一週間はキャベツに支配されてしまう
毎日何らかの形でキャベツを使って料理をする
きれいに食べつくせた時はとても幸せ
なんたって
料理の醍醐味は
冷蔵庫の中のものがきれいになくなっていくこと
工夫して無駄なく食材を使えた時がいちばんうれしい

6月22日

サッカーボールのようなキャベツが
ハンドボールぐらいになってきました

最近は5時に起きて午前中の涼しい時に仕事をして
お昼ごろ、炎天下の中
自転車で秋葉原のジャンク屋めぐりをするというのが
生活パターンになりつつあります
日曜日の秋葉原は
露店のジャンク屋がいっぱいでていてお祭りのようでとても楽しいのです
使えないものばかり売っているし
精密機械やパーツが炎天下の直射日光にさらされてたりして
大丈夫なのか
売れるんでしょうか
でも
売り子の人たちは
わいわい騒ぎながらとても楽しそうですね
アジアです

6月23日

早起きしたのに、なんだろうな日本代表
なんでジーコ?
トルシエの方がよかったなあ
というか、トルシエさんが好きだった
気が小さいくせに
虚勢を張って、でかい態度をとったりするところが
とても人間くさくてね

6月24日

友人のメールによると
アルゼンチンは男の子が生まれたら
いきなりサッカーボールを持たされ
おとうさんかおじいちゃんが指定するサッカーチームに入らなきゃいけないらしい
子供たちに選択の自由はないのか(笑)
そういう国には勝てないよね
でも
アルゼンチンでサッカーが苦手な男の子はどうやって生きていけばいいんだろう
心配になってしまう
必ずいるはず
サッカーが嫌いで苦手なアルゼンチンの子供
いじめられちゃうのかな
おれは
アルゼンチンに生まれたら死んでもいじめられてもサッカーはしないね(笑)

「タンゴとサッカー原理主義そしてプログレッシブ・ロック」
(注)プログレが今でもそこそこ人気があるのは世界中で日本とアルゼンチンだけらしい
プログレ得意の変拍子が
サッカーのリズムに合うのか?
(これは研究する価値があるね(笑))

短気でせっかちな女性と長電話
短気でせっかちな彼女とこんなに長時間話すのは珍しい
お互い歳をとって
気が長くなったのであろうか
(ぼくも彼女ほどではないけど短気でせっかち、でも後藤と仕事をしている間に
ずいぶんのんびりした性格になったんだけどね)
彼女に今度官能小説の挿絵を描くんだ、と自慢したら
加藤さんの絵はぜんぜんエッチじゃないモンねと
はっきり言われる
この女、歯切れがよすぎて所々でちょっと腹が立つ(笑)
愛にあふれているんだけどさ

6月25日

透きとおる夏の雲
雲が体の中を通り過ぎていく

官能小説のゲラが届く
わくわく

6月26日

朝の5時に起きて
健全に(笑)官能小説の挿絵の下描き
9時ごろ元妻より電話
無理やり近況報告を聞かされる(笑)
お昼ごろ
秋葉原のジャンクショップめぐり
がっこーの先輩が場所を知りたいと言っていた秋葉原名物コスチューム喫茶店をたまたま見つける
ウエイトレスが白黒のエプロンドレスを着ているんだね
先輩は
俺はオタクの第一世代なんだから、行ってみたいんだよ
と言っていた
勝手に行きなさいよ
俺は行かないよ
そういえば、後藤はエプロンドレス・フェチだった
後藤と行けばいいさ(笑)
午後は
出版社にラフをファックス
はじめてメールファックスというものを使って送ってみた
タブレットでラフを描いてそのファイルをメールに添付して送信すると
NTTでインターネットの回線から電話回線に切り替わって
相手先のファックスに受信されるサービス
これを使うとファックスのために古い56kのモデムを引っ張り出さなくてもいい
でもちゃんと届いたか、不安
水道の蛇口を交換してくれと言う
押し売り業者が来たが
「いらねーよ」とすごんで追い返す
マツモトキヨシの置き薬の訪問販売も来た
(いろいろやっているね、経営努力だ)
夕方
夕食の買い物に行ったら
中国人の若者に道を聞かれる
日本語がおぼつかないのでちゃんと理解できたかどうか心配
ファックスはちゃんと届いたようで
よかった
今日は忙しいぞ
(忙しくないか・・)

6月27日

梅雨なのにさわやかな朝です

ヤフオクで落としたジャンクのマザーボードが届いたので
お昼ごはんも食べずに
先週から改造しようと格闘しているDELLの古いマシンに換装して
CPUを載せて起動
無事にBIOSも立ち上がり
かろやかな1GHzマシンに変身しました
がらくた遊びもひと段落
がらくた遊びはパーツを集めるのが大変
そこが楽しんだけど
なかなか集まらない
運もあるし
気長な趣味ですね
このマザーだともう一押しできるかな

官能小説の初の挿絵も完成
楽しいと仕事が速いね(笑)
若妻が縄で縛られ・・

ロイ・ヘインズのリーダーアルバム
out of the afternoon
管楽器3本吹きのローランド・カークが参加したことで有名になったアルバム
(どーゆう唇なんだろう)
ボサノバの名曲 私を月まで連れてって
もあるよ
梅雨時に合います
湿度と切れのあってそして「かわいい」カークのサックス
ロイのスネアは雨音のよう
そして雨の中を用心深く走る車のようなヘンリー・グライムスのベースの適度なスピード感

6月28日

映画「マトリックス」と荘子の胡蝶の夢
蝶の夢を見ている私なのか
私の夢を見ている蝶なのか
SF映画というのは基本的に否定的
人は未来に対する希望を失い
近未来におびえ
そして
ついに現実までも疑いはじめた
仏教的に言えば現世はマーヤ(幻)であるらしい
でもでも
生きている僕らにとって
この世界は
幻でもなんでもなく圧倒的に現実的なわけで
この世界で生きていくしかない
現実感があろうがなかろうが
幻が見えようが見えまいが
この世界で生きていく
蝶の夢を・・
私の夢を・・
そんなことはどっちでもいいじゃん
私の夢を見ている蝶なら
そのちょうちょの現実があるわけだし
どっちにころんでも現実だ
隣の現実(芝生)はよく見える(笑)
それだけのこと

6月29日

日差しが強いけど
適度に風が冷たくて
気持ちのいい夏日
ふと視線を感じて仕事の手を休めて顔を上げると
例の仲良し鳩夫婦と目が合う
いつも俺を観察しているんだね
ふっ、うらやましいんだね
バツイチ生活が
自由だからね
(朝から晩まで自分の時間だと仕事して掃除して洗濯して読書してテレビを見て散歩して・・・って
全部こなしても時間が余るくらいだ(笑))
確かに離婚しましたと言うと
うらやましそうな顔をするひとがいたな、親戚の叔母さんに(笑)
でもね
バツニはいやなんだよ
バツニはかっこ悪いでしょ
バツサン、バツヨンまでいけばあっぱれだけどね
次はゆっくり時間をかけて慎重に選びましょう(笑)
逆に慎重に選ぼうとしたら、絶対に結婚しないけどね(笑)
恋愛とか結婚は交通事故に近いもの
慎重に横断歩道を渡っている人には永遠に縁がないよね

6月30日

ほんとうに傷ついた人は
私は傷ついた、とは言わない
その言葉の背景には
私は被害者であって
私は悪くないと思っているから。
本当に傷ついて
そこから自力で這い上がってきた人は
寡黙であり
そして優しく、しなやかでもある
「傷」
生き物は物理的にも精神的にも
傷つくために生まれてくる不思議な存在
傷とは何でしょう
傷つくことによって
生き物はアプローチの仕方を変えるようです
そこに新しい創造が生まれるはずです
傷つくことのない生き物は
完全であり
完全なものは何も生み出しません
(無神経とも言うかな)
傷つくことによって
想像力が発動するのです
変化とはそういうことですし
生命とはそういうものです


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